フェリーチェ・ベアト

フェリーチェ、ベアト(1832~1909)はヴェネチア生まれでイギリスに帰化した写真家。
幕末から明治に日本に滞在し、多くの写真を残した。(1861~1884年滞在)
多くの写真は、印象派よりもむしろ古典的な安定した構図で古めかしさが懐かしい味でそれはそれで楽しめるものだが、下にアップした写真のような、妙に生々しい空気感の生き生きした感じの写真が少数あって驚いた。
小さく写っている股旅姿などの人々がまるでクロサワ映画みたいな感じに動きそうなのだ。

フェリーチェ・ベアト>>>>>
春に、東京都写真美術館でベアトの展覧会を見に行き、そのカタログを取手の図書館にリクエストしたところ、この程購入になったのでじっくり鑑賞、感銘を受けたので記事にしました。
しかし下の写真は一部を除いて、以前より持っている朝日新聞社の「写真集・蘇る幕末=ライデン大学写真コレクションより」から。
DSC_1845.jpg
箱根の風景。
向こうから、正義の味方の素浪人が馬を駆って登場しそうではないですか。
お茶漬けの看板がおもしろい。
地形が分かるような撮影は軍事的目的での撮影で身についたものなのだろうか。その場の地面を歩けるような臨場感。


DSC_1842.jpg

生麦事件の現場。事件直後らしい。鎌倉事件では同行を誘われて、断ったために危うく難を逃れたという。
現在の横浜市鶴見区らしい。

DSC_1846.jpg
横浜山手に上る坂。
ベアトは横浜に写真館を経営した。挿絵画家で有名なワーグマンと共同で経営した時期もあったらしい。
横浜の写真も多い。


スキャン 5
神奈川台町の関門。
土門拳の写真みたい。「砂の女」(安部公房)でも出てきそう。


DSC_1843.jpg
長崎の風景。
見開きをスキャンしたので真ん中ノイズがあります。
こう言うのを見ると、なんだか、江戸時代も我々が生まれた戦後15年ほどと大した違わない空気感に思える。
ちょんまげの人々が、スナップ的な謂わば20c的な画像の感覚で捉えられているのに何とも不思議な違和感を覚える。
正直、幕末の頃と言うより、戦後チャンバラ映画的な偽物感まで感じてしまうのは私だけだろうか。幕末は江戸時代的な感覚と西洋的な物との葛藤や折衷のある絵で見慣れているのだ。


DSC_1844.jpg
厚木

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テーマ : 絵画・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:美術・彫刻・絵画  comment:4 

Comment

C橋 URL|ホントいい風景ですね
#- 2012.06.13 Wed22:22
どれも懐かしい風景ですね。
特に3枚目の「横浜山手に上る坂」なんかうちの近所の大昔の風景みたいです。
ホント昔の写真ってずっと見ていても飽きないですね。
ぎんよう URL|昔の写真がドンドン好きになる。
#F.S2sd/w Edit  2012.06.13 Wed22:43
ほんとですね。
最近、図書館に行くと美術全集でなくてちょっと前の写真集ばかりです。年取ったせいと思いたくないですね。
温故知新だ。ワッハッハ。

本文にも書きましたが、ここにあげたのは例外的に撮り方が割と今風なんで、親しい感じになっていると思っています。
マイマイ URL|re:フェリーチェ・ベアト
#ACiYtQpQ Edit  2012.06.15 Fri21:00
このころの風景写真、とても興味があります。
やっぱり、電線と電柱がないのが一番違うのでは
ないかと思います。
ぎんよう URL|電柱と電線は近代日本の象徴だ。
#F.S2sd/w Edit  2012.06.15 Fri22:54
昔の写真風の撮り方でないのを、ここには上げたのですが、そうすると案外空気感は近いですね。自然は同じですし、我々の子ども時代にはこういう家、結構ありましたものね。
飛躍しますが、あの送電線と鉄塔を見ると電線の網に上から押さえれて支配されている感じに思えちゃうことありますね。。
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Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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採取時期:2014/1月~2014/3月

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