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雨宮昭二著「占領と改革」(岩波新書シリーズ日本近現代氏7 2008年初版)

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雨宮昭二という人の「占領と改革」(岩波新書シリーズ近現代史7)2008年初版発行
と言うのを読んだ。
正直びっくり。
漠然とアメリカにもたらされたと思い込んでいた戦後民主主義社会というのが、実は、敗戦があれば、アメリカの占領政策なしでも実現した可能性があったというのだ。
例えば、平等(=平準化)は目的は戦争だが総動員体制のなかで実現し、プロレタリアートが生まれ、なんと戦犯岸信介が戦時中、今でもアメリカで実現出来ない、国民皆保険を作ったという。ほんまかいな。
その体制は、東条英機内閣で頂点であったが、このまま敗戦したら、ほんとに共産化する可能性があって、それを恐れた持てるものの権益を守らんとする自由主義派が打ち破って戦争終了の路が開けたという。
東条内閣当時の官僚は戦後社会党に入ったり、農地改革に腕をふるったり、実際の考え方に社会民主主義的な面があったと。
我々が思い込まされていたように決してアメリカさんの理想主義が実現した日本などというものでなく、意識的無意識的に日本人にそう思わせたことだという。
日本の占領統治は、その後、アメリカが世界各国に介入する時の独善的な振る舞いを正当化する格好の雛形になった。
憲法も政府の憲法問題調査委員会が準備したものは保守的でダメだったからGHQが拒否したと言われているが、今、見てみるとそうでもなく、立憲君主国とするとかなり進んだものだったらしい。また、民間にも優れた案があったと。


歴史や政治については、当然、限られた本やメディアからしか知識を得られない自分だが、 たしかに、 アメリカさんの独善と、放任資本主義、拝金主義、格差社会の弊害は確かにここのところ目にあまる感じはある。
それを、打ち破るヒントとして、協同主義と著者は呼ぶらしいのだが、戦後しばらくの間(講和条約の吉田茂の時代と違ってニューディーラー達の意向が反映されていたらしい)各地に存在した地域コミュニティーや組合などの、自発的な民主主義のようなものを上げている。協同主義というのが、どうも具体的にどうなんだかいまいちよく分からなかったのだが、芦田均の評価が高く、社会民主主義的もののようだ。他の本ではネットの可能性にも触れていた。
しかし、文学や音楽、美術、あの戦後アメリカ伝来の文化はチャラいかもしれないがやっぱり豊かだったと思う。なくなったら寂しい。
我々が生きてきた日本の空気感はやはりかなりの部分そこに由来していると言わねばなるまい。
そこが、アメリカの凄みなんだと思う。
そこまで、研究して貰えると我々軟派も心底納得できるんだが、誰にも無理な気がする。

ジョン・ダワーの「敗北を抱きしめて」と正反対(とばかりは思えなかったのだが)の立場と著者自ら強調するこの本を合わせて読まれたし。
なお、小生は2回続けて読みましたが、理解力、知識の不足に複雑な時代のことで、上の要約は間違っている可能性は大ですので悪しからず。
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テーマ : 今日の一冊
ジャンル : 本・雑誌

Tag:読書(文学)  comment:4 

Comment

番屋の丁稚 URL|アメリカ
#- 2011.12.03 Sat08:53
トク・ヴィルの「アメリカのデモクラシー」は読みましたか?岩波文庫で復刊されていて全4巻ですが、実は後半2巻だけで十分です。
ぎんよう URL|Re: アメリカ
#F.S2sd/w Edit  2011.12.03 Sat11:11
読んでいないですが、図書館で探してみましょう。
最近読書は眠気との戦いですので、ちょっと難しいといけませんが。
亜米利加は自分の一部でにくいです。文学、音楽、美術、凄いから困る。ちゃちなフォームで濃い内容を目指すのは亜米利加の影響かもしれません。それって、案外、キリスト教的(ピューリタン?)なのかなって漠然と考える時があります。
番屋の丁稚 URL|
#- 2011.12.07 Wed20:18
占領政策から今のTPPまで、アメリカの陰謀?は地下水脈でずっとつながっていると思います。日本人として主体的に物を考えなくさせられていますよね。
ぎんよう URL|tpp
#7jkUMYXI Edit  2011.12.07 Wed21:52
そうですね。主体的にもの考えられなくなるようにやられたみたいですね。TPPは儲かる連中が、ほんとに自覚もって真面目な小規模産業を助ける気持ち持ってくれないと困りますね。物価下がると焼き物屋みなきついです。外国から安いのドンドン入ってくるし、電気製品だってみんな値段下げるのに、どういう訳か美術品は下げてはいけない不文律がある。そういうとこだけ美術品扱い。
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彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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