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吉田裕著『アジア・太平洋戦争ーシリーズ日本近現史6」(岩波新書)と9月20日の展覧会まわりと私の展示会予定

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吉田裕著の第2次世界大戦についての歴史書『アジア・太平洋戦争ーシリーズ日本近現史6」(岩波新書)を読んだ。
いくつかその頃についての歴史書は読んだが、ちょっと前のことなのにこれほど書く人によって違うのは不思議。
この本は、去年読んだ五百旗頭真(復興構想会議議長・防衛大学長)の『日本の近代 6 戦争・占領・講和――1941-1955』と違い、当時の軍首脳、政府首脳、天皇にまるで容赦ない。
五百旗頭さんの本では、たしか、有能で厳密な実務家のイメージであった東条英機は、この本では人目を気にする軽薄なパホーマンス男のニュアンス。
五百旗頭さんは、大物一人一人の人となりを寄り添うように研究するが、その人のその時の状況が分かり、例えば、優れていたのにこういう愚行をしてしまったという感じの描き方であるところの悲劇的な物語になる。
その物語は非常に面白くくリアリティーもあるが、愚行の結果の無辜の人々の生々しい悲惨さはやはり背景に退く。
しかし、この本は数字で死傷者の数、産業の衰退、物資の不足などを述べる事が多いのが特徴。
分かりやすい一例を挙げると、推計の一例と断ってあったが、日本は軍属、民間人合わせて310万人の死亡に対して、日本の他のアジア諸国では計1900万人の死者というのは自分には初めてで衝撃であった。
無差別爆撃、原爆などアメリカも物凄く酷かったとは思うし、とんでもない悲惨な境遇に日本国民は置かれたのは事実だが、日本もやはりとんでもなく酷いことをしてしまった、とこの本を読むと改めて思う。
アジアの植民地からの開放に軍国日本は役だったとは言えないと、繰り返し説かれている。
まあ、自分程度の知識と頭では、何が正しいと言う確信など持ち得ず、その時読んでいる本の見方に影響されるばかりなのであるが。






全然関係無いのですが、9/20は、素焼きの窯が冷やし(100度以下に冷やしてから出さないと割れると言われている)で一寸時間が空いたので、友人の展覧会巡。

まず、取手駅近くのギャラリーきらりで松田朝旭先生の大規模な個展。
ここ15年ほどのデッサン、油彩の大作を多数展示。
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先生は、二科会の会員だが、70才を超えて、ここ3年のカンボジアのバイヨン寺院を扱った作品は特に感心した。
この作品は、表面的には、所謂油絵らしい粗いタッチの作品だが、構図やタッチのことがまるで気にならず、ここに仏塔があるみたいな不思議な絵であった。
毎日毎日、野外に出て写生を欠かさないという先生の膨大な量のスケッチブックも展示されていた。自分も、よく行く場所や、10年も前の風景だと今は無い建物が描かれていたりして取手在住の者にはまた格別の楽しみだった。



いくつか友人の展覧会をみて(残念なことに新制作展はこの日に限って休みだったが、)締めの東京国立博物館へ。
一応人並みに平安初期の密教彫刻がアイドルの自分は「空海と密教美術展」をみたかったのだが、混雑で10分待ちと滅多にない下痢に見舞われて直ぐに断念。平常展示へ。
如意輪観音で有名な観心寺の聖観音立像はよかった。
syoukannonn.jpg
一寸感じが違うが多分これ。
遣唐使が終わる頃からしばらく平安初期の彫刻は、急に縄文土器みたいに装飾過剰になったり、プロポーションが極端だったり、破天荒な事も多いが、大体面白い。個人的には、さかのぼって奈良時代と下って定朝様が支配的なる時期は安定しすぎて退屈なものも結構あると思っている。
奥行きある何とも言えない、写実と違うリアリティー。

「空海と密教美術展」の流れで割と人がいた本館の常設で発見したのがこれ。
東博はしょっちゅう行くが初見。

IMG_0382.jpg
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銅人形と呼ばれ、17世紀江戸時代の日本で医学の学習用に作られたらしい。
体表の、穴は、中国医学の鍼灸ツボらしい。
彫刻として大傑作とは言えないかもしれないが、江戸時代の普通の菩薩や如来の伝統的なものより遙かに生き生きしていると思う。
実は、これを見て、思い出した彫刻がある。
他でもない、父鈴木実の弟子の安藤亮君の作品だ。凄いでしょう?というか、安藤君の作品が自分の中で息づいているからこの銅人形をオッと思ったという面がある。
古典を生かすのは現代作家のがんばりだというようなことを、安岡章太郎が言っていた覚えがあるのだが、うなずける。
IMG_0644_1.jpg
安藤君の作品集はこちら>>>


こんなのもあった。これも同じように江戸時代の医学用のもので、内臓まで作られているらしい。重要文化財。詳しくはこちら>>>
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自分もかつて解剖図みたいな彫刻を作っていた。僭越ながら上げさせて頂きます。
月を視る男
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彫刻画家鈴木厚の世界>>>


最後に、平成館地下で見た縄文土器の傑作。
言わずとしれた、自分の焼き物の師匠です。
あきる野市出土なのだが、大学卒業してすぐに、書道塾だった家を借りてアトリエにしていたところの直ぐ近くで出土。秋川が流れていて、こじんまりしているが、気持ちの良い田園地帯で懐かしく感慨もひとしおであった。
IMG_0392_20110922082406.jpg

関係ないことつがりで、、今秋の展覧会の予定。
詳細はおってご連絡します。

鈴木厚個展
omonma tent(取手市)
電話0297-63-3533
10/7金~10/30日(金、土、日のみ開廊)
以前に作った彫刻,絵画,陶磁器の代表作と新作陶磁器です。地元取手では初個展!

まちなか展覧会てづくり市
10/22(土)10:00~16:00
宝町会館(常総市水海道駅通り商店街)

鈴木厚作陶展(仮題)
11/9~11/27多分火曜やすみ
金沢美術ギャラリー曜耀(笠間市)
電話0296-71-7566
こちらの個展は新作、代表作の陶磁器。陶芸家として初個展!

自分の焼き物のhpはこちら。>>>

おまけ。
現在♪、過去♪、みら~い♪









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テーマ : 展示会、イベントの情報
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:つれづれに  comment:8 

Comment

ハツミ URL|
#sktWpA2Y Edit  2011.09.24 Sat11:07
展示会続きますね。体調に気をつけてくださいね~~。(オットは耳が再発?らしいです)
ぎんよう URL|はつみさん
#- 2011.09.24 Sat12:38
ありがとうございます!
師匠も今日から展示会ですよね。お大事になさって下さい。

fbになれるとブログ書くの面倒になりますね。
洒落陶 URL|
#- 2011.09.24 Sat17:38
高校生の頃、家にあった、大東亜戦史とかいう
厚い本で4巻かあったと思うが、読み続ける内に、同じ失敗を何度も繰り返しているなあと、うんざりしたのを覚えている。(もう内容は、殆ど覚えていませんが。)
戦前も戦後も、政治やマスコミは、あまり変わっていないような印象もありますね。
原発事故に関してもネットやフリーの報道があるから、普通の人でも、本質に迫れるチャンスが増えたとは、感じられますが。
作品を見る時、どうも、グロテスクなもの、おどろおどろしたものは、苦手です。心の底に、美しくなくちゃ、癒されるものじゃなくちゃ。みたいな処があります。
ぎんよう URL|洒落陶様
#F.S2sd/w Edit  2011.09.24 Sat18:12
やっぱり、マッカーサーの個人的な考えも大きいと聞いたことがありますが、天皇がまるで戦争責任を負わなかったこととか、官僚組織がそのまま残ったとか、軍事裁判も全くの勝者の裁きでアメリカがまるで正義になってしまったり、いろいろのご都合主義でそのまま、経済発展の道をひた走ったのがいけない、と言われてますね。
ほんとは、理屈では何とも出来ない、訳の分からない力で歴史は動いている気もしますが。。。
気持ち悪いもの、毎度済みません。
まわりもそう思っているかもしれないのですが、どうも取手の鈴木家一門には、江戸時代からの気色悪いグロの怨霊が憑依しているような気がしますね。あはは。
うまく表現できれば、世の中で蔑まれるものの美しさかもしれないし、魔除けかもしれないし、まあ、多少の面白さを表現できるかなとは思っているのですが。。。
マイマイ URL|
#ACiYtQpQ Edit  2011.09.24 Sat20:42
岩波新書にこのようなシリーズがあったのですね。
興味深いです。
展覧会行きたいです。でも金土日は休めなかったり、
動けなかったりで、なんとかしたいです。
ぎんよう URL|マイマイさん
#- 2011.09.24 Sat21:37
この本は面白いし、誠実な感じはしました。
あの時期の歴史書何冊か読みましたが、本文に書いたように、全然ちがいます(キーパーソンの選び方もかなりちがう)が、それが皆力作で面白いし、良くできているから困っちゃうんですよね。
展覧会、勿論、いらして下されば最高に嬉しいですが、どうぞあまり無理なさらぬよう。
JACK URL|
#- 2011.09.26 Mon20:43
FBの出処不明彫刻等、銀さんが、「面白い、良い」と思うものは、私も大概惹かれます。以前、私のブログで銀さん事を書いた時にも書きましたが、私は、目に心地良い美しいモノや、技術の如何に惹かれるではなく、書に人柄が顕われる如く、凝縮された個性が、相手の肚から出て来て私の肚をくすぐると申しましょうか、、惹かれる女性にも同じ事が言えますね。今回は特に、目に留まった銀さんの作品について、制作時の気分等を聞かせてもらえるのは楽しく、恵まれてるなぁと思いました、満喫しました。暑い中長々とお付き合い下さりありがとうございました。私は、ゴチャゴチャ繊細クレイジー、凛として奇々怪々、シンプル濃厚深淵、オッパイ&性器も寄っといで、銀さん素敵純真笑顔クレイジー的な作品を待ってますので、内を充実させて、ドシドシ爆発させてください(^-^)/
ぎんよう URL|JACKさん
#F.S2sd/w Edit  2011.09.27 Tue07:58
ありがとうございます。
こちらこそ、魂で見てくださって作家冥利に尽きました。
>細クレイジー、凛として奇々怪々、シンプル濃厚深淵、オッパイ&性器も寄っといで、銀さん素敵純真笑顔クレイジー的な作品


いいですね~。ますます、精進します。

こんど、ブログでも出そうと思っているのですが、私は、20c前半の統合失調症の人の絵にひかれたりします。例えば、有名なところでは、セラフィーヌとかルイス、ウエインとか。。。
しかし、どういう訳か、20世紀後半から、ちょうどモダンアートがダメになるとともに、統合失調症の方の絵にもかつてのような豊穣な実りが無くなってくる印象があります。
どうも、時代の押しつけるプレッシャーみたいなものは健常者も統合失調症の方にも同じようにかかって、同じように才能のある人は表現する。
多分、今は、絵画の分野では、健常者と同じようになかなか実りある表現は出来ないのではないか。
しかし、器の模様には何か可能性があるのではないか。
そんなこと、感じて仕事しています。
どうも、自分だけが分かっているような文章になってしまいました。あらためて、いつか記事の形にしたいと思います。
それでは、ますます、お店が繁盛しますよう。
この間、じっくりお話しして、お料理やお店のインテリアに加えて、ジャックさんのお人柄でお客さんがリピーターになるんだなと思いました。
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ぎんよう

Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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