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靖国神社の美術

25日に九段坂上の「暮らしのうつわ花田」さんに納品に行った帰りに店の正面の靖国神社に行ってきた。
首相公式参拝、A級戦犯合祀等いろいろの問題をはらんだ神社だが今回は、神社にある美術品の話。
玉石混淆ですが、ここでは、玉の部分だけを上げます。
ハンサムな軍装の青年が希望に満ちあふれた顔で空を見上げているみたいなのも散見しましたが、やはり、ダメですね。
しかし、自分にとっては美術館のコレクションでも、明治以降の日本のものは同じくらい玉石混淆です。

下の銅像は、大鳥居をはいってすぐのところの大村益次郎の像。大熊氏広(1856~1934 )作の日本初めての銅像といわれる。1893年。
好きな彫刻だ。金工職人がつくったらしい紐や刀の柄などは、ものそのものをそこで作っている感じに精緻。
羽織や袴などは、生々しく写実的。
それに対して、髪の毛やしわなどは線で描いたようで仏像彫刻的なニュアンスが残っている。
眼窩が異様に深いというか、眉が異様に出ているのは、、写実的要素やら古代的なものやら日本中国ヨウロッパいろいろな要素が混在している作品に、何か求心力を作るときに役立っているのではないかと思う。
人物の彫刻を作っているときにそう思っていた。
特に巨像では重要で、でっかくても散漫にならず等身大のイメージになる気がしていた。
文化がグチャグチャでも強く生きるかんじ。
しかし、自分がいかに古くさい頭か告白しているようなものですね。
DSC_0750_20110504073547.jpg
スキャン 1
DSC_0756_20110428193306.jpg


同じ大熊のレリーフ。兵隊の閲兵を描いているようだ。
兵の装備や風景の細部が偏執狂的に表現されている。並び方のあまりの幾何科学的なのがどこか狂気染みている。堅くて塀みたいな隊列だ。
DSC_0774.jpg


下岡蓮丈の大きな壁画。「函館戦争図」どうやら、明治初期に芝居小屋で木戸銭を取って映画みたいに見せたものらしい。
若い頃、もう一点の大作とともに靖国神社のどこかで発見されたという記事を芸術新潮で読んだ。
本物は少し大味な感じがしたが、こうしてみるとなかなか良い。
明治維新の頃の空気感ってこんなんだったのかな。
昔写真で見た、もう一点の白い帽子の兵隊が一杯並んでる絵の方が良かった記憶があるのだが、画像が見つからなかった。
DSC_0779.jpg





ある特攻潜行艇部隊?のモニュメント。ヤノベケンジみたい。最近の造形やさんが作ったものだと思う。
DSC_0782.jpg

戦後多分遺族が寄贈だったか奉納だったかした絵。
素人さんの傑作油絵と思ったのだが念のために検索したら作者の益井三重子さんは著名な日本画家らしい。>>>
これは日本画だったのだ。
写真ではあまり見えないが戦艦の細部の描写がガイキチ!
それほど細かいという感じではないはヌメヌメとトレースする感じが何とも言えない不思議な危ない肌触り。
色づかいも暗い割にどぎつくて気が滅入るような感じだが、良い絵と思った。
遺族としての思いが日本画になじみにくい画題を描かせたのだろうか、それが良い方に働いて、不器用だが何か特別なものが出たのかなと思った。素人臭くなることが気にならない楽しい制作だったのではないかと思う。
DSC_0786.jpg


東郷平八郎の像。フランス行けば立派なナイーフ(素朴派)でないの?
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明治初期の木彫の馬等身像。業界では有名だが作者が思い出せません。すげー。
DSC_0771.jpg


新海竹太郎作の木彫騎馬像。勲章だのが楽しそうに彫られている。
彫刻家時代に、木で人体上の装身具を彫ると彩色しないと特にだが、どこか刺青じみたことを思い出す。
平安初期の木彫の菩薩にもそんなところがある気がしていた。土偶に通じるのだ。
DSC_0778.jpg


この彫刻は、誰が作ったのだろう。戦死した素人の若い兵士が作ったものと以前は表示されていた記憶があるのだが、戦後のブールデルに影響されたような彫刻家かもしれない。あるいは北村西望?
軍国主義的な題材であっても、目の表現などがモダンアート風というかアルカイクギリシアみたいなのが面白い。
小品であることは大きいと思うが、軍国主義的なテーマでもできるやつはできるんですね~。
ほとんど勇ましくも哀しくもない。情緒的でないんだな。そこが藤田嗣次の戦争画と違うところと思う。
上手く言うのは難しいんだが、情緒や主義と全然違重ならないとは言えないがやっぱり全然違う部分でなのだが、なんかゆたかな感じがして嬉しくなる。
DSC_0781.jpg
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後記(5月3日)
あんまりはっきりした意見がないのもみっともないので、無責任な世間話程度でどこかで聞いた意見の受け売りですが一応意見を書いておきます。

・戦没者を慰霊する施設は必要と思います。ただ、中国、朝鮮、アジア諸国、アメリカ、ソ連等の戦死者に対する哀悼の意も表す施設であるべきだと思います。
・首相の靖国参拝はやめるべきだと思います。特定の宗教が絡んで違憲だし、諸国のメンツの張り合いのスイッチみたいな感じになってしまっている感じがします。
・美術に対しては、軍国的なものでも良いものは積極的に紹介するべきと思います。しかし、基準が曖昧です。美術史家、作家がもっと頑張って、骨董界の値段にどこか左右されているような評価から脱しなくてはいけないと思います。しかし、大変難しいと思います。
個人的には本文で触れたように、藤田嗣治の戦争画はやはり肯定できませんが、益井三重子さんの軍艦の絵は良いと考えています。
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テーマ : 絵画・美術
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:美術・彫刻・絵画  Trackback:0 comment:3 

Comment

ぎん URL|
#F.S2sd/w Edit  2011.05.03 Tue09:24
あんまりはっきりした意見がないのもみっともないので、無責任な世間話程度でどこかで聞いた意見の受け売りですが一応意見を書いておきます。

・戦没者を慰霊する施設は必要と思います。ただ、中国、朝鮮、アジア諸国、アメリカ、ソ連等の戦死者に対する敬意も表す施設であるべきだと思います。
・首相の靖国参拝はやめるべきだと思います。特定の宗教が絡んで違憲だし、諸国のメンツの張り合いのスイッチみたいな感じになってしまっている感じがします。
・美術に対しては、軍国的なものでも良いものは積極的に紹介するべきと思います。しかし、基準が曖昧です。美術史家、作家がもっと頑張って、骨董界の値段にどこか左右されているような評価から脱しなくてはいけないと思います。しかし、大変難しいと思います。
個人的には本文で触れたように、藤田嗣治の戦争画はやはり肯定できませんが、益井三重子さんの軍艦の絵は良いと考えています。 鈴木厚
イワノビッチ URL|
#- 2011.05.04 Wed00:38
 震災からの現在の状況で、私は戦争画のことを考えていました。ホントです!
世間が、「・・・ろう 日本!」という雰囲気の中で。絵描きや彫刻家は無力です。その点、音楽の方が力あります。
戦中、絵描きは「アトリエで昼間っからなにやってんだか?」と近所の白い目を意識したはずで、現在とは比較にならぬほど肩身の狭い思いをしてたはずです。そんなとき、戦争画の依頼があれば飛びついたはずです。
 靖国について言えば、日本は宗教に対し寛容すぎると言うか、イイ加減すぎると言うか、国内で宗教で殺し合うということがないというのは、ありがたいですが、キリスト教徒で靖国に奉られてしまった人の中には、名簿から除外してほしいと運動してる人もいたと思います。
 警察には神棚がありますが、キリスト教徒の警察官もいるはずです。どういう気持ちなんでしょうか?
ぎん URL|イワノビッチさま
#F.S2sd/w Edit  2011.05.04 Wed09:15
>そんなとき、戦争画の依頼があれば飛びついたはずです。
よくわかります。私も今回のチャリティー参加で随分気が楽になりましたものね。
基本的にのろまですので、あんまり世の中について行けないし、みんなと一緒の方向に行くのもアーティストとしてみっともないとブログを書いていてよく思いますが、チャリティーの紹介は楽でしたもんね。気が緩みましたね(笑)

戦争画を見ていると、自分の中のモダンアート的基準がためされている気がします。
どんな文化、宗教、思想の背景でも良いものは良い。
印象派からハッキリすると思うのですがモダンアート的考えは多分植民地主義の中で、アジアやアメリカの美術の面白さに気づいてしまったヨウロッパが、一神教では楽しめないし、異教の偶像は壊さざるをえないからそれをやめるために生まれてきたと思ったりしています。
そこに表されている宗教や信条の善し悪しから独立した善し悪しの基準を立てたわけです。
その基準の下に美術館は出来たし、インカの石像を神父が壊すと言うこともなくなったわけです。
私は基本的にその考え今でも好きですが、しかし、戦争画を前にするとやっぱりきついですね。
まあ、蟷螂の斧でいろんなこと言ってみましたが、タリバンも教養高くて美術好きで印象派も好きでその基準から言うとバーミヤンはくだらないから壊したと思っていたりしてとか、考えたりしました。(勿論私は平山氏と同じであの大仏は大好きですが)
誰がどう判断するのか、判断して良いものか。。。

>日本は宗教に対し寛容すぎると言うか、イイ加減すぎると言うか
ほんとね、憲法は守らなくちゃいけないですよね。
それに関してある思い出があります。
ある酒席で非常に教養あるゲージツ系友人が結構酔っ払っていたのですが、同席のロシア人に多神教のすばらしさを延々と伝道するのを見て面白かったことがあります。気持ちはよーく分かったのですが、そのあまりの熱意が可笑しくて自虐的ニュアンスで日本人は一神教には敏感に反応するんだよ、例えば秀吉(だっけ?)のキリシタン弾圧と言ったらギョッとしていて悪いこと言ってしまったと焦りました。
宗教に対してイイ加減でない考えに対しては不寛容だったりして。。。
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彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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