「長谷川毅著 =暗闘=スターリン、トルーマンと日本降伏」とfacebookとtwitterとブログ

3ヶ月ほど前、高島屋展示会の前、もちろん震災前に書いたのすが、どうってことない読書感想文なのになぜか、まずいこと言っているような気がしてアップをためらっていました。売り上げに響くような気がして。
元々臆病な上に、久しぶりの展示会前と言うこともあって、神経過敏だったですね。
しかし、震災後、ツイッターやfacebookでみんなドンドンいろんな事いうようになって、どうやらブログ炎上という言葉も死語になりつつあって気楽になったのでアップします。
なんと、臆病でせこい私ですが、そうなんだから仕方がない(笑)
まあ、あんまり遠慮して何も言えなくなるのはダメですが、日本とロシアの戦死者に対しては、やはり慎みは持ちたいです。



以下、1月29日記
何回も推敲して一生懸命書いたもので。

長谷川毅著
「暗闘ースターリン、トルーマンと日本降伏」
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を読み終わった。
以前ブログで感想を書いた東郷和彦氏の「歴史と外交」のなかで、推薦されていたので読んだ。
この本は吉野作造賞、司馬遼太郎賞、英語版では、Robert Ferrell Award (the Society for Historians of American Foreisn Relations) と言うのを受賞している。
このくそ忙しいときによく読んだなと思ったのだが、あまりに登場人物が多い複雑な内容で、間を開けると投げ出しそうなので、休憩のたびに読んでいたら、4週間で読み終わった。まあ、教養主義がまだ自分の中に生きているのだ。

もう本当に忙しくなって来てて、丁寧に感想を書いている暇はなくなってしまったので要点のみ。
以下、図書館に返してしまったし、そもそも、読解力、歴史の理解力の問題で以下事実関係に間違いがあるかもしれないことをお断りしておきます。

日本のポツダム宣言受諾については、原爆投下より、ソ連の参戦の方が大きな力となったということが、日、米、ソの史料を丁寧に分析して描かれていて、予備知識のない自分はなるほどと思ってしまったのであるるが、ネットを見ると、批判もあるようであった。

自分が個人的に感心したのは、クリール(千島)諸島をソ連が占領するところ。
実は、クリールでのソ連の軍事行動は、満ソ国境の作戦に比べて、実に杜撰に計画されていて、日本軍よりもソ連軍の戦死者の方が多かったと言う。
確か1800人と1000人ぐらいだったと思う。
初期には奇襲なのに、誰かが勝手に砲撃して日本軍の猛反撃を食らってしまったり、積み荷が重すぎて、上陸艇が水深が2メートルもあるところまでしか近づけず、無線機器が水没して20個もあったうち一つしか使えなくなったり、
9月2日の降伏文書調印後の歯舞占拠では、アメリカの出方を見ながら司令部の指示があるまで待機の命令だったのに、連絡がうまくいかず、現場が勝手に占領してしまったりする。
もし最後まで戦えば、そう簡単には占領されなかっただろうということだ。
実を言うと、このあたりを読んだ時生まれて初めてくらいに、この問題について、悔しさを感じた。惜しいことをしたと。。ちょうど、サッカーの、ドーハの悲劇の時のような気持ち。。。
権謀渦巻く、ヤルタ密約等の帰結として生まれた北方領土問題は、ナショナリズムとも結びついて我々一般人が気軽に話題にも出来ない重っ苦しい話題だが、現場はドタバタであった。。
ソ連軍のずぼらがアメリカの黙認(ヤルタで約束してしまったから仕方ねーなという感じ)と日本軍の大本営の指令に律儀に服して整然と投降するまじめさに助けられて運良く占領してしまうこのクリール占領の章は、生き生きと描かれていて、正直面白かった。
この章は、この入り組んだ書物に一種のカタルシスをもたらしている気さえした。
北方領土については、内容はほとんど忘れてしまったが、歴史的に見て我が国固有の領土であると説明されていた。
スターリンも返還ではなく占拠であることを理解していて用心しいしいの作戦ではあったようだ。

日、米、ソの代表的為政者ついては概ね、事実のみをあまり論評なく描かれていて、読み進めるうちに、例えばスターリンの小心なんだか大胆なんだかよく分からない怪物的な性格、トルーマンの癇癪持ちみたいに、自然とその人の癖みたいのがよく分かってくるという感じだったが、
ポツダム宣言受諾間近に、戦争継続派の出すメッセージがアメリカに伝わらないようにとっさの機転を利かせる、日本の無名の事務方、新聞記者などが、ほんの片隅に記述されており、美しく印象に残っている。


以上1月29日記

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Tag:読書(文学)  Trackback:0 comment:2 

Comment

シド工 URL|
#- 2011.05.02 Mon11:59
近現代史を読むと悔しくてたまらなくなりますよ、僕は。原爆2発も落としやがって!次は必ず勝つ!…なんてすこーし思いますです。はい。
ぎん URL|シド工さま
#F.S2sd/w Edit  2011.05.02 Mon14:56
なんか、メドベージェフが震災のお見舞いになんか北方領土についてちょっと考えるようなこと言っていたと聞きましたけどどうなったんでしったっけ?
まあ、「次は~」やめるべきと思いますが、この本によりますと、あの原爆投下というのも、ポツダム会議中に実験が成功してそれを秘密裏にトルーマンが逐一本国から報告を受けながらスターリンと交渉していたと言うことだったと思います。
トルーマンが考えている原爆というのは想定される死者の数字も相当いい加減で実に実に抽象的だったようですね。大分前で忘れてしまっているんですが、投下は是非したいという事でいろいろ動いた面があるようでした。
以前紹介した東郷和彦氏の本では、そのあたりをアメリカに抗議することについて実際的な考え方が出ていたと思いますが、内容は忘れてしまいました。
東郷氏は小泉総理の靖国参拝に心情的には理解を示しつつも、中国、韓国との関係を考えるならもっと思慮があるべきというような立場でした。
しかし、ホントにいろいろな本が出ていて、それぞれ全然違って、実際の所はどうなんだか我々には訳わかんないですね。
ps
今日始めてあのポスターが奥様の作品と知りました。迫力例年と全然違いますものね。褒めて良かった。「可愛い」と連続してなかなか私にしてはgood jobです。
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彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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採取時期:2014/1月~2014/3月

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