宮城紀行ー村田町陶器市、国営みちのく湖畔公園、仙台「ひで屋」ー

今週火曜日、村田町陶器市から帰ってきた。
改めて、お求めいただいたお客様に篤く御礼申し上げます。
私の場合、安いものをサラッとまとめるのが下手で、8割方の品物が模様をぎっちり書き込んであって、この高いものが売れづらい時期に、他の出店陶芸家よりちょっと高い(湯のみ、飯碗で4000円~8000円ぐらい中心)のだが、それでも、過去5年の中では一番のお売り上げで少し元気が出た。
まあ、元々大した売り上げでないと言われればそれまでだが。

$BJ?#2#2!!#1#07n#1#5F|!!B<EDF+4o;T(B 020
場所はくじ引きですが今回は良いところにあたった。
家主のおじいちゃん、文句一つ言わずつきあってくれて、ありがとう!疲れたでしょう。
DSC_0554.jpg
店から、外を見る。。
$BJ?#2#2!!#1#07n#1#5F|!!B<EDF+4o;T(B 025
暗いところで目をつぶっていれば結構イケメンの私。
手前は私には珍しく、模様のないものも。
白い布で養生しているのだが、後ろに古いがっしりした戸棚や箪笥やカメ等、凄く雰囲気があったのだが、布を外したのは搬出の時のみで忙しく撮影できず残念。

会期終了後の次の日、月曜日、近くの国営みちのく公園に。
DSC_0560.jpg
広大で遊具や施設は手がこんでいて、で子供や若者には良いだろうなとは思ったのだが、50代のオヤジが一人でおセンチな感慨にふけるにはいろいろの要素がありすぎて全体とするとかなり散漫な印象だった。
自分の場合、なにか、今までに接した文学なり、音楽なり、美術なりで経験したことのある情緒がないものでは、落ち着いてしみじみと出来づらいのだが、まるでそういうものが湧いてこない施設。
アーティストの端くれとして、というかゲージツオタクとして、他の職業の方よりはかなり多くの作品を経験して来て、自分の中の情緒のパターンは相当多いと思っているだが、そのどれ一つにも当てはまらない。
言わば、400円入場料の別世界のはずが、巷の分かりづらさの縮図になっている感じ。
しかし多分、その「分かりづらい巷」をちゃんと感じられるようにするのが同時代のアーティストの役目なのだろうとも思う。
(ちょっと分かりづらい話だが、自分は「芸術が自然を模倣する」のでなく、「自然が芸術を模倣」するという立場だ。)

釜房湖というダム湖のほとりにある。こうして撮るとなかなかキレイ。公園の中から撮影。自分は、広角、真ん中あたりに水平線の構図の写真を撮るのが好き。
DSC_0563.jpg

しかし、古民家を移築したふるさと村は良かった。
DSC_0594.jpg
宮城県色麻町鳴河畔の家。

DSC_0589.jpg
同内部。
写真の娘さんたちは中国人だと思う。尖閣諸島の問題の後なので良かった。
どういう訳かいろり端に一人ずつ正座してケータイで写真を撮っていた。いろり端では正座するものと思っているようであった。健康的お色気の御御足が眩しかった。

DSC_0603.jpg
多分この家のだと思うのだが神棚。
関根正二とか太宰治の「晩年」を思い出した。
>>>関根正二


DSC_0587.jpg
岩手県遠野の南部曲がり屋
DSC_0586.jpg
の裏。日本の家ではない感じ。

DSC_0584.jpg
青森県弘前市の家。津軽。

DSC_0580.jpg
多分津軽の家だったと思うが、2階の使用人の部屋。



DSC_0610.jpg
月山山麓の家。山形県朝日村より。

DSC_0616.jpg
どこの家だか忘れたが、このような感じの焼き物がいろいろの家にあった。
時代がかっていい感じなのだが、叩いてみるとかなり密度が低くて軟らかそうであった。

DSC_0623.jpg多分釜房ダムが出来るときに水没した集落にあった家だと思うが、古い生活用具。
DSC_0618.jpg
釜房の家が使われていた頃の写真。水没前。
村田の蔵の中で店をやらせてもらっている時もそう思ったのだが、やはり、ずっとあった場所にあって、たとえ今は本来の目的には使われなくなっても人が住み続けている家は、何か迫力というか、落ち着きというか、重みというか、感動に本物感がある。
しかし、移築されて公開されている中の壁に、水没したところに立っていた当時のセピアの写真というのは、なかなか亡霊のような凄みがあった。


公園をでて、釜房ダムの方へ
DSC_0634.jpg
ダムの近くダム湖にかかる釜房大橋。大分暗くなってしまった。
DSC_0643.jpg
ダム近くの山。この下に道路とダム。どういう訳か、この写真は空が未だ明るいが、橋の写真より後に撮影。
DSC_0638.jpg
ダムの下流側。

ここから、山間の夜の県道を仙台市内に向かい、今回の宮城行きの最後の目的地であるジャックさんこと渡渡邊秀樹さん経営の洋風居酒屋「ひで屋」へ。
ジャックさんは、亡父の彫刻家鈴木実のファンであったらしいが、自分の焼き物もいくつか購入いただいている。
ブログにも紹介して頂いた>>>
運転下手の私で、まるで通った事のない夜の道が、かなり心配だったが、前日に渡してもらった、分かりやすい地図と的確な説明で、自分にしては割と楽にたどり着いた。公園から30分ぐらい?

DSC_0645.jpg
まず、おなかペコペコで車だからお酒も駄目なので、おすすめのサツマイモスティックのフライ、ポーク生姜焼きとチキンの香味焼きをライスとともに頂いた。
写真を撮るつもりでいたにもかかわらず、夢中でかぶりついてしまい、途中で気づいて撮りはしたのだが、やはり残念ながら喰いかけで美しくないのでやめますが、お世辞抜きで旨かった。
量も多めで、柔らかいふんわりしたイメージの味は、厨房のジャックさんのお母さんの制作。
DSC_0654.jpg
かろうじて撮れたのが、このキュウリのニンニク風味漬け物。すんません。

もう一つ「ひで屋」で特筆すべきなのは、店内に飾られている小物。
これは、以前にニューヨークで古着屋をやっていたジャックさんが選んだ良いものばかりだった。

特に感心したのが、古い工業製品。
DSC_0662.jpg
古いスパナ。生きているみたいでしょ。こんな何気ないものの面白さを発見する渡辺さんの目は一級品。

>DSC_0665.jpg
古いオレンジ絞り。最高、かっこいい。
DSC_0671.jpg
何かの蓋?
DSC_0667.jpg

古いロック(どうやら無名バンドらしい)のLPジャケット。これも、良い。これを選べる人になら自分の渾身の作品を持ってもらっても大切にしてもらえる、安心だ、と勝手に思ってしまった。


DSC_0660.jpg
19世紀の図鑑の頁。
少し様式的でなまった感じは受けはしたが、これもなかなかのものと思った。
(話は飛ぶが、個人的には関根正二や岸田劉生のようなデューラー信奉者の画家よりも植物画等の実用的な絵の方がデューラーに近いのではないかと思っている。結果的に関根も岸田も全然違う面白さになっているのだと思う。)

DSC_0674.jpg
カウンター越し厨房のJジャックさんと津軽出身のお母さん。二人ともいかついけれど、とっても良い顔だ。


お店のブログは>>>

そして、帰路。
DSC_0684.jpg
夜の高速、多分日立あたりのトンネルの中で。掛けていた音楽は、往きも帰りも、エリックドルフィーが気持ちにぴったり来てそればかり。アイアンマンとメモリアルアルバムのカップリングCD。
前衛的なのだが、なんだか、チンドン屋みたいなチープなところに哀愁があって泣ける。
みちのく公園に公演の合間にドルフィーが訪れるシーンというのを想像してみたりした。
日本公演はなかったようだが。
DSC_0685.jpg
人もまばらな夜のサービスエリア。


旨いものを腹一杯喰って、古民家も含めて古い良いものをたくさん見て元気が出て帰途についたのだが、しばらく走ると陶器市の疲れがやっぱり眠気となって襲って来て、もう少しで居眠り運転という瞬間が何回もあった。
パーキングエリアで仮眠を繰り返して、7時間もかけて帰還。ウチについたのは午前3時頃であった。

村田町の元窯師匠ご夫妻、ひ弱な銀はご心配かけましたが、まあ、なんとか無事帰り着きました。


関連記事
スポンサーサイト
テーマ : 陶芸
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:陶磁器  Trackback:0 comment:12 

Comment

洒落陶 URL|
#- 2010.10.23 Sat10:13
お疲れ様。古民家、皆でかいですね。こちらも、
茅葺きの本家が残っています。築250年ほどと聞いています。郷士階級の家でクド造り(コの字)となっています。
村田町陶器市、いい場所ですね。街並みが
有田と似ていますね。
ぎんよう URL|洒落陶様
#F.S2sd/w Edit  2010.10.23 Sat11:56
ほんとに、民家でかかったです。吹き抜けがあったりする家もあって、豪壮でした。
東北では、家の中にウマを飼うんでまたでかいのかもしれないですね。
でも、掘建て小屋みたいなのに住んでいた貧乏人もたくさんいたんでしょうね。

洒落陶さんのご本家250年とは凄いですね。今となると、管理のご苦労があるでしょうけれど、長く残ってほしいですね。。

村田の蔵良かったですよ。
自分はどういう訳か、5回中4回連続で、でかい古い工場みたいなところにクジでなっていて、今回はじめて通りに面した本格的蔵でした。
白い布で養生して見えないのですが、座敷の後ろの家財道具もいい雰囲気でした。
普段は締めてしまって今は営業していない蔵が多いのですが、昔は紅花の集積地として栄えたらしいです。


江戸川台のきょん URL|クライトコロデだまってイケメン・・・・・・・・
#oFmbKcY. Edit  2010.10.23 Sat18:45
アノナ、写真、凄すぎるが、ダリみたいなスパナ、いいねえ。
ダム湖の写真、キレイ。
高速道路、前も撮っていたねえ、トンネルじゃなかったけど
好きなの?

 クライトコロデだまってイケメン・・・・・・・・
ずーっとそうしてるか? (笑)
イワノビッチ URL|大久保権兵衛
#- 2010.10.23 Sat19:04
 ウエブ上で気配がなかったので、留守かなとおもってたんですが、(さびしかったよ!)いいところに行ってましたね。川越のような蔵造りの商家と巨大な民家はいいですね。東京に持ってきたら、小学校の体育館ぐらいあるんではないか。それとスパナ、盗心をそそる。仙台住の鋸鍛冶といえば大久保権兵衛です。今度、探してみてください。
ぎんよう URL|Re: クライトコロデだまってイケメン・・・・・・・・
#F.S2sd/w Edit  2010.10.23 Sat19:32
おお、去年とは比べ物にならない、新しい中古カメラを頂戴したのだ。
夜景モードというのにすると、ストロボは光らないし色もきれいなのだ。
暗いと言えば、民家というのは暗いぞ。使用人の部屋に窓が一つもないというのは、当たり前のようだったが、主人夫婦やご隠居の寝室なども狭くて窓が一つもなかったりする。なんか、隠れ家的というか子宮願望的というか、なんか色っぽくてでよかったぞ。おれも、あの時代ならイケメンかもね。
ぎんよう URL|Re: 大久保権兵衛
#F.S2sd/w Edit  2010.10.23 Sat19:44
えへへ、ちょっと出張です。
45過ぎてはじめて出張というのをやった訳ですが、楽しい事は楽しいのですが、自分に商売の興奮に対する備えと言うか免疫が無くて、もの凄く消耗します。

あのスパナはですね、良くみると番号が666で幸運の印だとジャックさんが言っていました。
なんでも、解体現場だったか忘れたが、店ではないところで、ゲットしたようでした。

ほんとに、古民家でかかった。
特に、中国の娘さん達のいた家は2階建てなんですが、吹き抜けに階段があって、その階段を上る感じが、大きな公民館のロビーみたいだった。
庄屋みたいな豪農だろうから、小作人たちを集めて集会みたいな公共性のある建物だったような気がしたが、如何?
蔵作りの商家も勿論よかった。
大久保権兵衛さんね。
C橋 URL|
#- 2010.10.24 Sun08:35
今回お店を出したのは蔵ですか?
元の商家かと思いました。
趣と貫録がある店構えですね。

茅葺屋根の旧家は懐かしいですね。
昔、妻籠に行った時の旧家もそうでした。
囲炉裏の煙で燻されてそれをきれいに拭いた壁が味があって良かったです。
人の手の届くところはピカピカに磨かれているのですが届かないところはくすんでいて…
それはそれで良かったなあ…

それにしても帰りはロングドライブだったようでお疲れ様でしたv-448
ぎんよう URL|c橋様
#- 2010.10.24 Sun12:31
いや、あれですね。蔵作りの商家ですね。
蔵でお店なんです。
去年までは、木造のデカイ古い倉庫みたいな酒蔵というところでした。
蔵という名でしたが、お風呂屋みたいな煙突があって、蒸留工場みたいな感じでした。

人の気配のある旧家はいいですよね。展示されていた旧家は大体屋内に馬小屋も入っているのですが、そこの板壁もキズだらけでいい味でした。
展示するにあたって、新しい米松っぽい材を黒く着色して補修してあるのですが、そこがやっぱり目立つんですね。仕方がないですが。

帰り、ほんとに眠かったですv-75
JACK URL|お立ち寄り頂き ありがとうございました!
#- 2010.10.24 Sun18:35
銀さん ブログに載せて頂き、ありがとうございます。私、今朝帰宅遅かったもので寝ており、夢の中で銀さんの声を聞いてました。無事帰宅されたようで安心しました。私も、お店で撮った銀さんの写真載せて今ブログ更新したトコロです。内容感謝します!ネジ山彫ってある耐熱ガラス、店内にある同種のモノの6つ中では1番新しく小さい物で、60~70年位前の物かと思われますが、電柱等の上で電線をクルッと巻く物で、アメリカでも今では日本同様白い磁器が使われている?と思います。風雨に晒され傷着いたり曇ったり、電線表面のゴムコーティングを電気の熱が溶かし黒くこびれ付いたりして、カケの無い綺麗な物はナカナカ出ないです。666は映画「オーメン」で、ダミアンの頭皮にあった数字ということで私の世代は親しみ深い?ですが、悪魔の、、という感じです。作陶頑張って下さい!御家族の皆様にも宜しくお伝え下さいマセ!
ぎんよう URL|JACKさま
#F.S2sd/w Edit  2010.10.24 Sun21:00
ブログの、カウンターの私、変な顔ですが、げんきそうですね~
いろいろ、ありがとうございました。

分かりました。碍子の事ですね。
ちょっと調べたら、an insulatorでインスレーターコレクターというのもいるらしいですね。
たしかに、今の磁器製のもなかなか面白い形してますものね。
おっ、染付のある碍子なんても見つけました!
http://blog.goo.ne.jp/mint_room13/e/6bc33fe0c612d86152a6e8bf9d593f24


なるほど、スパナは666は悪魔のでしたか。
実は、わたしは、写真をパソコンで見たときに、この間アップしたマムシ看板のマムシを思い出したのですが、自作を例えに上げるのも図々しいだろうと思い書くのやめたのです(笑)



寒くなりましたが、お互いがんばりましょう。
美人の奥様とお母様、目に浮かびます!よろしくお伝えください。
yucco URL
#- 2010.10.31 Sun21:07
陶器市お疲れ様でした!

寒くなったので 銀さんの湯のみでお茶を飲んであったまっています。
茶色の新作も素敵でしたので 来年を楽しみにしています♪

みちのく公園 今度行ってみます。



ぎんよう URL|yuccoさま
#F.S2sd/w Edit  2010.10.31 Sun22:44
どうもありがとう!
これを励みにまたがんばります。

お湯のみに、多分、お家とか富士山とか描いてあると思うので、見てみてください。

みちのく公園は、何とも不思議な公園でしたが、ほんとにどういう訳か心にくっきりと映像が残っています。
個人的にはダム湖が湖底に沈んだ村があって、そういわれて見るからかもしれないのですちょっと人工的でそれが少し時代がかって妙な哀感があって無責任に言ってしまっていいかどうか分かりませんが好きでした。
宿泊施設も温泉なども充実して安くて良いらしいですね。

風邪を引かぬようご自愛を!


comment form
(編集・削除用):
管理者にだけ表示を許可
プロフィール

ぎんよう

Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

我が家の掃除機の塵の放射性物質
Cs137:641Bq/kg(検出下限39.7)
Cs134:211Bq/kg(検出下限19.3)
Cs合計:852Bq/kg(検出下限58.0)
採取時期:2014/1月~2014/3月

月別アーカイブ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブログ内検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる