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夫婦で大解決!=でかいポットミルマシーンで小さいポットを回す方法=

書き出し2
(頂いたコメントで、ポットミルの仕組みが分かりづらいと言うご指摘がありましたので、9/12に加筆させて頂きました。)


皆さん、ポットミルというのをご存知ですか。
電動乳鉢という感じですが、磁器のポットの内側が釉薬がかかっていなくて、そこに、これも無釉の小さな磁器のボールとがゴロゴロ入っている。
釉薬だの砂っぽいものを水に溶いてそこに密封して、ポットの胴をポットミル機のゴム付きの回転軸に掛けて壷ごとゴロゴロと何時間か回転させると、釉薬の粒子が擂れて細かくなるのである。ボールが中でお互いこすれ合ったり、壁にこすれる間に材料が入って、乳鉢と同じように擂れるのだ。
写真向かって右の棒が回転して動力を白いポット(中に釉薬とたくさんの磁器ボール)の胴に伝え回転させる。
向かって左のバーはフリー回転する。

なぜ、釉薬を擂るかというと、釉薬がよく熔融するとか、バケツにためた釉液中の長石が沈殿すると水の底に石みたいに硬く固まってしまって大変なのだが、沈殿しにくくなるとか、いろいろいわれるが、自分的に必要なのは、篩に通したいからだ。
なぜ篩に通すかというと、磁器中心の自分にとっては、釉薬に鉄粉が混入していると出来上がりに黒い点が出るのが嫌なのだが、それをとるには非常に細かい篩を通して不純物を除去するのだが、200目(一寸を200本の線で区切る。つまり1寸=約3.03cm平方に200×200で40000個の穴がある篩目だという)の篩を通ってしまうものは肉眼で見える点にはまあならないと、或る先輩に教えて頂いた。
一般に磁器用の釉薬と素地土(水に溶かすと)は、濃度が低ければ(45ボーメ以下)その200目の篩を軽く通るほどの細かい粒子だ。

で、長々と釉薬を擂る事を書いたが、今回は釉薬でなく、粘土に混入する鉄分の話だ。
焼き物の中の微量な鉄というのは、微妙に不完全燃焼傾向の窯の中で焼くと、青く発色する。(酸化第一鉄)
それが青磁の理屈だ。
多くは、釉薬の中に微量の鉄分(酸化第二鉄)を入れて釉層を青くするのだが、自分は粘土の中に1%未満の鉄を混入して釉層の下の素地を青くしている。
理由は要するに最初にそうやってしまったので慣れて、それがやりやすくなったという事がまず大きい。

私は模様イノチなので、彫刻刀で彫った模様が見えるよう、砧青磁のように乳濁した釉を厚く掛けるのでなく、薄くて、透明度の高いのにしたいのだが、
まっ白い素地に鉄分の入った釉でやると、着色ニスを掛けた木彫りと同じ理屈だと思うのだが、出っ張ったところの釉が薄くかかるので白っぽくなり、へこんだところは、釉がたまって厚くなるから色が濃くなるので、割と強いメリハリがついて、いわゆる影青(インチン)風になる。
それに対して、釉よりも素地に鉄分を多く含ませると、出っ張ったところも青く発色する。そして、釉はクリアニスみたいなものなので、ことさらなメリハリはつかず、釉の底にある凹凸が光を浴びて陰影がついて見える傾向になる。
木灰の釉である事もあって、割合穏やかな表情の高麗青磁風になるのだ。
まあ、実際は素地の鉄分が釉中に溶け出すというし、灰自体にも微量の鉄分が入っていて、こう単純ではないのだが。。
その他、釉の高温での粘度、泡の入り具合、微量のマグネシウム、カリかソーダかとか、焼き方とか要素はいろいろ。

銀窯青磁インチン風
インチン、灰釉1
インチンの釉、鉄分(酸化第二鉄=ベンガラ)が入っている。赤いのが鉄分だがこれが、還元焼成で青く発色擂るのだ。
インチン、灰釉3

銀窯青磁高麗青磁風
灰釉1
ナラ灰釉、鉄分は添加していない。白素地だと染め付け釉とほとんど変わらない色。貫入はでるが。
インチン、灰釉2

しかしながら、陶芸材料店に売っている酸化第二鉄粉であるところのベンガラ(昔はインドのベンガル地方の土だったからだそうだ)は意外に粒がでかくて焼き上がりに黒い点々が出る。
150目の篩でも通る分もあるが、全く通らない粒子が一つかみ残るから、ポットミルで10時間ほど擂るのである。

模様とロクロにパワーがあれば、黒い点々なんて味になっちゃうのだが、やっぱりそこはデパートで売る食器だ。
清潔であるに漉した事は無い。このごろは以前より鉄分を減らして水色系にしているし。
まあ、どう見えるかもあるが、やりだすとそればかり気になってくるというかムキになって、とにかく一つも黒い点が無くなるようにしたくなるというの大きいのだが。。
書き出し1
写真はベンガラとポットに入れる、磁器ボール。実際は30個も入れる。

で、自分の場合、粘土の重さに対して0.5%(粘土乾粉に対してだいたい0.6%強)のべんガラを入れるのだが、10キロの粘土に対して50グラムだ。
そうなると冒頭の写真にあるようなでかい24cm径のポットだと、ポットの内側についたり、ボールについている水溶きベンガラをかき集めるがえらい大変で無くなっちゃう分が多い、
それと、この酸化第二鉄というのは血の色と同じ成分のためだと思うのだが、人間の目は非常に敏感に反応する。
それで、ポットで擂るとボールやうちがわに赤い色がついて、なかなかとれないのだが、それが、もうごく微量でも真っ赤っかに見えて、とにかく他の釉が真っ青になっちゃう気になって嫌なのでベンガラ用は他のでやりたいのである。
真っ赤っかが大展開するのはとにかく嫌なのだ。
そこで、径9cmというちっちゃいのを購入した。写真がいつもの24cmのぽっと。真ん中が9cm径のポット。安いし。
右が中入れる磁器の玉。
DSC_0015.jpg

ところが、ところが、機械の二本のバーを狭めてセッチングしても、乗るには乗るが、どういう訳か、滑って空回りしてしまってまわらない。
ポットミルマシーンのトリセツには径15cmからと書いてあるのでメーカーのシンポ東京支店に電話して聞いたのだが大丈夫という事で買ったのだが、やっぱり駄目。
実は9cmを買うつもりなのに12cmで大丈夫かと間違えて聞いてしまったのだ。

もう、ポットの店のグッド電気に「クレームじゃないですよ、何かヒントを教えてください』と電話したらシンポさんに相談してくれとつれなく、シンポの京都お客様相談室に泣きついても、気の毒そうに「どうしようもあきまへんな、』、窯を買っていろいろ相談に乗ってくれている大築熔炉に電話すると「おっしゃるように、回転数を減らすのは良いが、大変だし、、ロクロにセットして小さいポットを回す機械が中古で8000円、それとも15cm径のを思い切って買ってはいかが?」といわれたり、大騒ぎしたがラチがあかず。

大変凹んでふて腐れていたのだが、家内が見かねてアトリエにやってきて、滑らないようにゴムをポットに巻いたり、径を大きくしようとプチプチで巻いたりいろいろしていて、出来る分けないよと冷ややかに見ていたのだが、「やっぱり重さが無いのがだめなんだ、庭の石臼をつけたらどうかしら?」というのを聞いてひらめいた。

じゃーん、これぞ裏技、でかい24cm径のポットの中に、9cm径のを仕込むのさ。!
小さいポットはでかいポットの蓋の変わりに作った合板の蓋にヒモでくくりつけて、でかいポットの中にセッティングするのだ。
書き出し3
書き出し4

おそれいったか、グッド電気、日本電産シンポ、大築ドン。

しかし、小さいポットの中で、磁器のボールの踊るチャラチャラ言う音が、大きいポットの中で反響してうるさいのが欠点。

なお、擂ったベンガラは、いつもは、しゃばしゃばに溶かした粘土に入れて撹拌して篩を通してから寝かせて沈殿させ、石膏鉢で水を抜いてロクロにかけられる状態に持って行くのだが、今回は急いでいるんで、水に入れて擂ったベンガラを板の上に薄くのばして、その上を端から、少しずつタニシ揉みと言う磁器特有の粘土練りをしながら粘土の塊を歩かせ練り込んでいる。大丈夫かな?
ロクロをした限りでは、問題ない。
タニシ
あまり上手いとは言えないと思いますが、自分のタニシ揉み(これはベンガラは入れてません。香田陶土天草撰上)
青磁土1

たかだか、0.5%でこの濃い赤。
やっぱり、人間は鉄の色に敏感だ?
これが水色になる。




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ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:陶磁器  Trackback:0 comment:10 

Comment

洒落陶 URL|
#- 2010.09.10 Fri18:10
考えましたね。(笑)私は、場所がない。
うるさい。などで釉薬は調合票を渡して外注しています。そこは磁石ででも脱鉄しているようです。まあ、調合の秘密が漏れる心配も
ありますが、癖のある釉薬なので簡単には扱えないと、たかを括っています。
 URL|洒落陶様
#F.S2sd/w Edit  2010.09.10 Fri20:26
いや、ほんとにうるさいです。
場所は、父がバブル時に建てたものでかなり広い仕事場なのですが、材木が捨てられず、場所をふさいでいるのがいけません。
釉が外注できるのですか!さすが、本場ですね。
やりだすと止まらなくなって、黒い点が出ないようにムキになりますが、最初の頃の、多少還元不足で、黒い点々がイッパイの方も、なんか味があるような気もしています。
いずれにしろ、自分の場合、模様に力が無いのはどれ見ても汚らしいです(笑)

もの凄い長文おつきあいいただきありがとうございました。
自分の場合どういう訳か、秋になってお店のシーズンの前になると、ますます話が長くなるようです。
C橋 URL|
#- 2010.09.11 Sat22:01
酸化鉄が青色を出すとは知りませんでした。
てっきり赤色だと思っていたのですが…

ポットミルマシーンの話は正直理解力がついていきませんでした…
でも夫婦の協力で問題解決して何よりですね。
最後の写真の青磁器の出来上がりが楽しみです。
銀 URL|C橋様
#F.S2sd/w Edit  2010.09.12 Sun07:59
読んでくれてありがとう。

> 酸化鉄が青色を出すとは知りませんでした。
> てっきり赤色だと思っていたのですが…
私もついこないだまで知らなかったのですが、不思議ですよね。
分厚いガラスを断面から覗くと青っぽいじゃないですか。あれも、除去できなかった鉄分らしいですね。
まあ、ちょっと鉄分の割合が多くなると還元しなくて、黒くなるので青さにこだわる人は、分厚く分厚くかけるくふうするみたいですね。

> ポットミルマシーンの話は正直理解力がついていきませんでした…
> でも夫婦の協力で問題解決して何よりですね。
すみません、丁寧に説明するとさらに長くて本当に一人も読んでくれる人がいなくなるということになりますので。。
要するに、ボールが中でお互いこすれ合ったり、壁にこすれる間に材料が入って、乳鉢と同じように擂れるんですね。
で、小さいポットはでかいポットの蓋の変わりに作った合板の蓋にヒモでくくりつけて、でかいポットの中にセッティングすすんですね。
家の家内は、音楽になるとガチ楽譜ですが、料理とかになるとなかなか前衛的な事をやります。

> 最後の写真の青磁器の出来上がりが楽しみです。

模様無しで、さわやかで安価なのを目指して挽いたのですが、その分野は上手な人が一杯いるし、中国等からもの凄く安いのが入ってくるので、なかなか、大変ですね。
でも、がんばる!
イワノビッチ URL|鳥人間コンテスト
#- 2010.09.12 Sun22:45
 前のページのコメントからですが、7月にH美術梱包の車で流山に行きましたが、弟H氏が、当時お宅の引っ越しをやったといってました。
 青磁が生のときベンガラ色をしてるとは知りませんでした。前の職場のとき使いで芝にある自働攪乱機(だったかな?)の工場に部品を取りに行きました。漆に顔料を入れてかき回すヤツです、乳鉢と乳棒が自働でまわる仕掛けです。しかし考えましたね、小関智宏さんに見せたい。治具は町工場の底力だそうです。
 弟H氏は、9月24日放送の「鳥人間コンテストの滑空部門で、練馬チャレンジャーチームで出ます。パイロットは、私と同い年のパフュームファンクラブ会員。
銀 URL|Re: 鳥人間コンテスト
#F.S2sd/w Edit  2010.09.13 Mon08:10
ありがとう!
弟h氏のとり人間コンテストまだやっているんですね。
私も随分前dvdをもらって、義理で見たのですが、割と面白かったです。
あいつは、自慢話が多くてうるさいけれど、今自分がPTAに顔を出すようになったのも、思えばやつの自慢話の影響の気もします。やつは、中学のPTA会長をやっていたみたいね。
あの、自動乳鉢機は良いですね。九州の呉須専門店でも使ったいるみたいですね。随分値段がするみたい。
ポットミルはあのボールについたのをとるのが厄介。
悔しいので、今度はロクロでポットを作ってみます。
小関さんは、「粋な旋盤工」だったかな、面白かった覚えがあります。息子t氏にもがんばってほしい。
青磁は、中国では多分黄土を入れたんじゃないかなー。
あれは、赤くないので気分はいいのですが、ネバネバと鉄分が一定しなさそうでどうも使う気にならないですね。ますます、ボールにまとわりついて。。。
紫っぽい珪酸鉄というのもあって使う人も多いのですが、使った事が無いです。
ちゅう @m78seven URL|寝てしまった
#- 2010.09.15 Wed19:22
確かに長過ぎ(笑)。
昨日、酸化鉄のwikiを見て、マントルとかいろいろ寄り道していたら、寝てしまいました。
分子構造や結晶構造により、励起された電子が電子雲間を移動する時、そのエネルギーの差により発色するのですが、具体的に説明されているページを見つけることができませんでした。
銀 URL|Re: 寝てしまった
#F.S2sd/w Edit  2010.09.16 Thu07:17
いやすまんv-238
どうも、なんか、こういうの書いて、そのうちこういうのが出てきてみたいに時間軸で行くじゃないですか、文章って。どうも、一瞬ですべて分かっちゃう分野が仕事だからそういう時間の入っているのって結構面白いんだな。

で、鉄ですが、刃物ときもそう思ったのですが、自分は鉄が好きだな。まあ、人類、鉄と友達と思ったりしますが、インカは鉄が無かったというし、文化によって全然違うんでしょうね。武器にもなるしね。
Fumi URL|
#4EoBppwo Edit  2010.10.31 Sun23:31
こんばんは。
圧膜ペーストという電子材料を製造するのに,ボールミルを使っていたことがあります。

ガラス粒子を湿式で粉砕する場合,ボールはジルコニア製で直径は10mmφ,または5mmφでも良かったです。
小さいボールを沢山入れるほど,短時間で粉砕が進みます。

15mmφや20mmφといった大きいボールを使うと,ボール同士がぶつかって破片が発生しますし,ボールがポットの内壁を削って製品に混入するかと思います。

回転速度は速いほど短時間で粉砕が進みますが,速すぎるとボールが遠心力で張り付いて粉砕作用がなくなります。
ボール同士がじゃらじゃら擦れあう程度が良いと思います。

また中身が濃くて粘度が高いと,小さいボールは動けませんので,そのときは水を追加されると良いと思います。
ぎんよう URL|Fumiさま
#F.S2sd/w Edit  2010.11.01 Mon07:57
アドバイスありがとうございます。
せっかくなのですが、陶磁器特に天然灰を使ったりすると、アバウトな世界になってしまってアドバイスが活かせないんです。。。
釉薬の場合、、やっぱりボールが動かないと困るというか、希釈して沈殿を待って濃度を増やす手間が惜しいというか、慣習的にでかいです。まあ、ボールについた釉薬を回収するのがたいへんということもあるんでしょうね。
ボールの磁器の成分は釉に溶け込むとは言われていますが、その程度は大丈夫だとモノノホンに書いてあるのですが、要するにあんまり成分的に厳密さを要求されるものでもないというか、製品素地の厚さなども手作りでまちまちで、従って釉鵜の厚さもまちまちだし、厳密にしてもそれをいかせないという感じでだと思いますね。
回転速度は適当な早さについて解説してある本もあるのですが、残念な事に、小生の使っているポットミルは速度調整が出来ないんですね。
ボールは大きいのに混ぜて小さいのも入れた方が良く擂れる言われているので、磁器でちょいちょいと作ろうかと思っているのですが、つい忘れてしまって。。。

かなりアバウトな個人陶芸家の世界です(笑)
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Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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