父のこと=ムスティクのぼうけん=

最近、上の小学3年の娘がどうやら読み通したらしいこの本は、子供の頃に、父がかってきてくれた記憶があります。私が子供の頃にこの本を最後まで読めたかどうかは良く覚えていないのですが、母芳子が「お父さんが買ってきた本は、厚が最後まで読めないことが多いよ!」と父実をなじっていた記憶があります。
自分の娘は「すごい面白い」と興奮していたし、自分も作者のポールギュットという名前をよく覚えているので、この「ムスティクのぼうけん」は読み通せたような気もしますが、確かに、父が買ってきてくれる本はなんだかどれも、ちょっとノリが悪いというか、子供心にも高級感があって読んでいて緊張してしまうようなところがありました。
40年もたって大部汚れてしまったこの本を子供の布団の横で発見して、いつもは余り思い出すことがない、いやをなるべく思い出さないように極力努力しているのですが、父のことをまざまざと思い出してしまいました。
自分も子供を持つようになったからわかるようになったのだと思うのですが、一人っ子の自分を非常に可愛がり、かなりの読書家でもあり、また何事にもキチッと手順を踏んでやることの好きだった父は、多分本屋で、じっくりと児童書を手に取り、何冊も見比べて、場合によっては一部読んで選んでくれたのだと思うのです。「よし、本買ってきてやるぞ!」と言って、駅前の丸山書店にでかけた父は長いこと帰って来ませんでした。だから、何か少し大人好みの、深い内容があるような子供にはちょっと読みづらい本を選んでしまったに違いないのです。自分の親不孝を、ガラにもなく深く反省した一瞬でした。


ムスティクのぼうけん008
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テーマ : 心あたたまる絵本の話
ジャンル : 本・雑誌

Tag:読書(文学)  Trackback:0 comment:4 

Comment

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#- 2007.11.07 Wed21:05
素敵なお話ですね。
私は父に本を買ってもらった記憶ないな・・・

ムスティクのぼうけん読んでみたくなりました。
銀 URL|教え子のMさんと思われる方へ
#- 2007.11.08 Thu13:01
コメントありがとう。
がらにもなく、しんみりと書いてしまいました。
でも、親孝行はしといた方がいいです。後でえらい後味悪いです。こういうんで、繊細な人は幽霊とか見ちゃうんだろうな。私は鈍いので見たこと無いけど。。。。。
綾崎華美由 URL|
#- 2007.11.11 Sun00:20
いい話ですね。
私の亡父も本が好きで、ジャンルを問わず雑多に読んでいました。
今でも半分くらいは実家にあります。
初めて買ってもらった本(図鑑などをのぞいて)は、確かイワン・エフレーモフの「アンドロメダ星雲」だったと思います。小学校3~4年生だったと思うのですが、宇宙に興味があった自分にタイトルだけで買ってきてくれたような記憶があります。子供向けのシリーズの1冊でしたが、その頃はSFなんぞ理解できるわけもなく、真面目に読んだのは6年生になってからだったと思います。山岡荘八と吉川英治の歴史小説はズラリと並んでいて、中学生の頃は結構それを読んだのも懐かしいです。
父とは結局あまり話をしないままでしたが、こうやって厚さんの文章を読むとやはり私も父の影響があったのかな、と感じます。曲りなりにクラシックやラテン音楽について語れるのも、家にそういうレコードがあって、それを聴いていた自分がいることがスタートでしたからね。

父親の話題が出たので、お奨めの一冊。
ペタ・オヴェルの「美しい鹿の死」を。
チェコのユダヤ系家族の絆を第二次世界大戦前後の時代背景と共に描いた短編集なのですが、最後の一編のラスト3行は本当に泣けます。
銀 URL|綾崎華美由様
#- 2007.11.11 Sun18:59
コメントありがとうございます。
父親と息子というのは難しいところが多いです。
特に、長男とか一人っ子とか。
父に負う分が多ければ多いほど反発する。
アホな私は死んで始めてその負っていた分がわかりました。
というわけで、男の子は絶対嫌だと思っていたらば、願い叶って二人とも女の子でした。

で、自分の父子関係についてのお奨めは、ベタですが、ツルゲーネフの「初恋」です。
あれは、よくわかるなー
偉大な父を持って、今でも父の話題が出るとそれだけで緊張して頭が痛くなるアツシですので。。。。
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Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

我が家の掃除機の塵の放射性物質
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採取時期:2014/1月~2014/3月

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