高橋竹山とバックハウス

50歳になったこともあり、時々家内に隠れて吸っていたタバコも完全にやめて、酒もほとんど飲まず、食事も良くかんでかつてのように食欲の赴くままにいくらでも食べるということをやめて、半分くらいにしている。
食事を減らしても、あんまり体重が減らないと言うことは、元もと痩せていたのだが、以前は長時間労働と情緒不安定に食べ過ぎ、呑みすぎが加わって相当不調だったと言うことだろう。
大体、よく「疲れているね」と言われていた。
酒は、ある先輩から、あまりに美味しい日本酒を頂戴し、4日ほどかけて大切に頂いたのだが、呑み終わると、ついこの間までのように、安酒をがぶ飲みするのがバカバカしくなってやめてしまった。

それでも、あまり調子よくなったと言う感じでもないが、気を付けないと10年くらいの内に死んでしまう気がするので続けることにしている。
(父は58で最初の癌手術、母は50くらいから、抗鬱剤の海を延々泳ぎ続けていた。)
節約にもなるので、自分へのご褒美ということで、ここのところ何点かCDを買った。

そのなかで
まず、高橋竹山。
竹山
youtubeはこのレコードの後、渋谷ジャンジャンでのライブ。

実は、この音源はLPで20代のころ聞いていたはずなのだが、カリスマ的な風貌に名声と伝説は凄いのに音は何だか迫力なくて意外に軽いなという印象でそれほど感動した記憶はありません。
最近も多分、かなり晩年の録音だったのだと思うのだが聞いて何とも弱々しいという印象で、最近の若い人の勢いのある演奏の方が好きだったのだが、この音源をたまたまyoutubeで久しぶりに聞いて自分の馬耳東風ブリを恥じました。

まず、人様を圧倒してしまおうという態度がないのは、芸人として上品というか最高に上手くないと出来ない事だろうと思うのだが、一番感じたの抽象的な言い方になってしまうのですが、全体が柔らかい構造になっていて、すべての音、フレーズがキッチリというか、皆役割を持って必然的にその場所に息づいているという印象を受けました。

欲しくてたまらなくなり、急いでこの史上初めての津軽三味線のレコード一番上に上げたジャケットの「源流ー津軽三味線ー高橋竹山」を急いで購入したわけです。

で、竹山を聞いてふと思い起こしたのが、突飛かもしれませんが、ドイツの往年の名ピアニスト、ウィルヘルム・バックハウスです。
鍵盤の獅子王、ドイツの正統とか言われて、いかめしいイメージですが自分が聴いたところでは意外に軽やかで、華奢というか繊細というかそんな印象があります。
全体がガッシリしていたり、ガンガン迫ってくると言うのでなく、細身でしなやかな全体の流れの中に、ゴツゴツした岩みたいな表情がポコポコと見えるという印象です。

一つだけリンクしておきますので興味のある方は聴いてみてください。
ベートーヴェン作曲、ピアノソナタ29番、op106です。
特に、この曲の最終楽章は、ベートーヴェン晩年によくあるフーガなのですが、どの演奏を聴いても自分にはなんだかよく分からないばかりか、同じような固いピアノの音の洪水が延々と続き神経に応える(弦楽四重奏曲のop133の大フーガはもう少し楽しめる)のですが、バックハウスの録音だけは何だか弾力があって生ている感じがして自分にもちょっと分かる気がしたので。

http://public-domain-archive.com/classic/download.php?album_no=105

このサイトに、ブラームスの2番の協奏曲のふるい方(1939年)のベームと競演した録音があるのですが、何だか表情が細やかで豊かな良い感じですので自分は気に入っています。
http://public-domain-archive.com/classic/download.php?album_no=282
蛇足ですが、最近の私です。
IMG_1596.jpg

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Tag:音楽  Trackback:0 comment:8 

Comment

洒落陶 URL|
#mgYVv8Vc Edit  2009.06.09 Tue17:00
内田百聞は良い酒をもらったら、なじみの

酒屋に(昔の)二級酒に交換してもらってい



そうです。なんだか、悪い事をしてしまった

かも。
銀 URL|洒落陶さま
#- 2009.06.09 Tue17:53

> なんだか、悪い事をしてしまったかも。
とんでもないです!
お陰様で、30代に酒で肝臓を壊して入院した自分としては、何年か命が延びたと感謝しています。
本当に美味しいものは、文化というか、ダメな食生活を駆逐すると言うことがはじめて分かった次第ですv-218
ルックスには正直全然興味がなく構わないのですが、多少顔がスッキリした気もします(笑)
ありがとうございました。


Jack URL|ご無沙汰しております
#- 2009.06.09 Tue22:17
ご無沙汰しております

竹山さんが登場したので、投稿させて頂きます。私、音楽は あまり聴かないのですが、津軽三味線、高橋竹山のみCDを持っており、アメリカでもよく聴いておりました。母の実家が青森で、私の祖母が、竹山さんにお顔がそっくりなのです。。 津軽三味線、私の心に沁みます、「岩木」燃えます。前の記事になりますが、角皿イイですね、大変私好みで、余裕ができたら私も欲しいです。。買えないのにコメントするのも気が引けていましたので、竹山さんに絡めて、気持ちだけでもお伝えします。。もう少ししたら、智さん、銀さんの作品ブログでアップさせて頂きます、遅くなってすみません
muko URL|薬
#pSJ6Fihk Edit  2009.06.10 Wed06:34
普段は寝酒と睡眠導入剤で体をこわし、今は大量の睡眠導入剤に移行して寝ています。坑鬱剤も飲んでるし、医療費が馬鹿になりません。
お酒のほうが、安いかも。
銀 URL|JACKさま
#F.S2sd/w Edit  2009.06.10 Wed10:25
JACKさん、いらっしゃいませ。
お元気でいらっしゃいましたか?

jackさんも竹山さん聴いてますか。
私は、30年も前から知っていたのに、恥ずかしながら、入門したてで、今回最初の録音を聴き始めたところです。
やっぱり、良いですね。

角皿気にって頂けたようで光栄です。
JACKさんは分野は少し違いますが、長くビンテージを買い付けることで、身を削り、見る目を鍛えて来られました、そう言う方に気に入っていただけるのはまた格別です。
私は、美術に関してはある程度分かって、作り手と受け手がもたれ合うようなつまらないモノは見抜けるつもりでいるのですが、1万円札を握りしめていざ器などを買うとなると、興奮も加わって、どうもあやふやになって分からなくなってしまったりします。
私は自分の制作と美術全集と美術館で美術を見る目を作ってきましたが、買う場面になると案外もろいです。

音楽に関しては、大好きなのですが、まず変なモノを気に入って、よく家内に笑われます。
それでは、また秋に。
ブログは気長に待っています、
銀 URL|mukoさま
#F.S2sd/w Edit  2009.06.10 Wed10:29
なるほど。
この稼業どっちにしろ、何かの薬物のお世話にならなくてはいけないと。
うーん、正直小生も仕事が苦しくて動けなくなってしまって、これは病院かなと思うことも多々あるのですが、だましだましまだ今のところは大丈夫という感じですね。
母を見ていた限りでは、病院での処方も相当身体にきついというのはありましたね。

何とかして、普通に畳の上で死ぬのが自分の切なる願いです(笑)
カデンツァ URL|
#- 2009.06.11 Thu15:28
高橋竹山さん、すごいですね!繊細で柔軟なのに、ずっと先まで凛と見通しながらも、その瞬間を無心に弾いている感じがします。
バックハウスとの共通の感覚、わかるような気がしますね。
ハンマークラヴィーアではないですが、ベートーヴェンソナタの大昔のLPを持っています。
銀 URL|Re: カデンツァさま
#F.S2sd/w Edit  2009.06.11 Thu19:25
コメントありがとうございます。

そうですか!カデンツァさんも竹山、気に入ってくださいましたか。

バックハウスは、わからないなりに、長い間それこそ100回も修行みたいに聴いてき(なんのためにそんな修行するのかよく分からないのですが、、、)たとはいえ、竹山と結びつけるのは、素人がまた突飛なこと書いてしまったなーと思っていたので何だか嬉しいです。
自分は、聴く人に何も押しつけない感じが似ているかなーと感じていました。

それでは、梅雨の風邪は結構きついので(例によって我が家は二人ほどひいています)お体にお気をつけて。

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彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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