UFOか?謎の大怪音

美大時代多分4年生(留年したので5年目)の冬のことでありました。
小生は、元八王子町の大江健三郎の小説に出てくるようなと言ったら少し大げさだが山の谷間の奥、東京造形大学(その頃は、今の多摩美の横の校舎でなく、高尾であった)のバズターミナルのすぐ横の長屋に下宿していた。
ある寒い夜中、過保護のせいの寒がりと内陸性気候で室内のお茶が凍る寒さの八王子の冬に分厚い布団を三枚も掛けて独りでねていたのだが、物凄い音に目が覚めた。
ボーン、ボーン、ボーンと生まれてこの方聞いたことのないタイプの大音響。
これは、なんだ!バスターミナルに、UFOがおりたか。
しばらく、おんぼろベットの上で身を固くしていたのだが、一向に音は鳴りやまない。すっかり目が冴えてしまって、眠るわけにもいかない。
自分は、多分好奇心だったと思うのだが、そっと起きあがり、おんぼろダウンを羽織って、抜き足差し足、部屋のドアを開けて、バス停の横の土手のかげに身を隠して近づき、そおっと頭を上げて様子を見ると何もない。
街灯が煌々といつもの夜のようににアスファルトの広場をてらしている。
その間も、ひっきりなしに聞こえる、ボーン、ボーンの大音響。
耳を澄ますと、音はどうやらバスターミナルから坂道を校舎の方に行ったところの竹林の方から聞こえる。
誘われるように、身をかがめながら、足早に竹林の方へ。
音はますます大きく、耳をつんざくほどのボーンボーンという音であったが、音源と思われる場所にたどり着いたが、宇宙人も、妖怪もかぐや姫もいなかった。
既に、恐怖感はなく、大音響の中、たくさんの大きな竹の切り株がボコボコ、クレーターみたいに街灯にてらされている中にしばらく呆然と立ってから、下宿に帰り、すぐ眠ってしまった。

翌々朝、新聞を見ると、元八王子町の謎の大音響が地方版に出ていた。
どうやら、強風が竹の切り株に吹き込むと、風の具合で、ごくまれに尺八みたいに音が出るらしいとのこと。

読者の方にはばれているかと思いますが、小生は肝の据わった人間とは到底言えぬ小心者で、飛行機が恐くて外国には一回だけ、具合がちょっと悪いとすぐ検査で女房と医者に笑われる人間ですが、人間というのは、訳の分からぬものがあると、恐怖心はどこかへ吹き飛んで、正体を確認しなくてはいられない好奇心のある生き物であると言うことが分かった事件でありました。
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テーマ : 雑記
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:つれづれに  Trackback:0 comment:8 

Comment

azam URL|
#- 2008.12.21 Sun18:18
私は太古の昔東京で未確認飛行物体を呼んでしまった事があるの うふふ

フレンドと和んでいたら未確認飛行物体の話が出たので  

あら そんなのお空に飛んでるわ とふざけて言ったら

本当にまじで  バンバン飛び回ってました

10分位

まじですよーーーー

親戚 友人 知人 恋人 ありったけの関係者に電話しまくり

あまりマジなので皆信じてくれました

嘘のような本当のお話

でも銀さんって弱虫で キャワユイ
洒落陶 URL|
#- 2008.12.22 Mon15:35
造形大は今は多摩美の隣に移転したのですか?知らなかった。
あまりに不便だったんかなあ。
銀 URL|azam様
#F.S2sd/w Edit  2008.12.22 Mon17:51
そうですか、UFOみましたか。
小生はお化け屋敷に住んでいるくせに、幽霊もUFOも見たことのない無粋な人間です。

>でも銀さんって弱虫で キャワユイ
いやンv-238もっと可愛がって~v-91
うそ、うそ、充分可愛がっていただいています。
銀 URL|洒落陶様
#F.S2sd/w Edit  2008.12.22 Mon17:57
一度新校地に行ったことがあるのですが、多摩美の横という話でしたが、多摩美は見えませんでした。。

高尾の校地は不便でやたら寒かったですが、ムササビがいたり、でっかい山ミミズが雨のあとに道路にはっていたり、砂防ダムをせき止めて泳いだり、なかなか楽しかったのですが、谷間で土地が狭すぎたみたいです。
中世からの城下町の廃墟が地下に埋まっているところでした。
あの狭い感じが学園祭のオールナイトなど空気が濃くて良い感じだったのですが。。
金さん URL|はじめまして
#- 2008.12.27 Sat13:06
銀様

 はじめまして、プッサンを検索していたら、こちらのブログに来ました。

私も同年齢で、美術関連の大学出で、90年代初期ぐらいまで、発表していたので、親しみを感じ、つい貴ブログを読み進めました。

御尊父の作品も写真で拝見して、美術館で何点か拝見していたことを思い出しました。銀様は、今、陶芸をされているようですが、彫刻も民族芸術に影響されたような作品がちょうど1周して面白くなりかけているように思います。陶芸では、逆に器用にきれいな食器を制作されるんですね。

私は、現代美術系でしたので、どうしても木彫だと日本で言えば、戸谷、深井、舟越さん達を思い出しますが、ただ、外国の作家のようにザックリ、構成を見せたりや荒く造る作家が出てこないのか残念に思っていました。

銀様の過剰な彫刻が逆に荒い造りだけに佐藤朝山の三越の彫刻と違って面白さを感じました。台座は、いかがなものかと思われますが。

さて、何より面白かったのは、銀様の文章です。芸術一家に生まれ、コンプレックスやトラウマがありつつ、ずっこけながら(失礼!)淡々と制作されている姿を正直に描写した文章に引き込まれました。

もう少し、ご家族とのやりとりや制作時の話をブログで書いていただければと思います。私は、シナリオライターでもなんでもありませんが、何か惹かれる魅力があります。(タダ読みの読者ではありますが)

陶芸でももっと過剰で、実生活では役に立たぬものも今後も制作してください。

東京方面で発表された時は、ぜひ拝見したいと思います。

金四郎拝
銀 URL|
#F.S2sd/w Edit  2008.12.27 Sat18:24
金四郎様

初めまして。
丁寧に読んでくださったようで嬉しく存じます。

最初のころは自分の立場を弁護しようというような書き方でしたが、どうも後味悪いのでこの頃はなるべく正直に描くようにしてます。
実名を出しているのであんまり書きすぎても危険になるので、ちょっと神経使いますが。。。

自分の仕事についてですが、どうも自分のことはいくら書いても違う気がしてしまうので、せっかく書いてくださったのに申し訳ないですが、よくわかんない感じですね。
一番正直なのは行き当たりばったりという感じです。
まあ、自分としては、結構バランスだったり、デッサンだったり普通のことをキチッと出来るかどうかは気にしているようです。
その時に、シンプルな形でバランスをとるのが本当は一番良いのでしょうが、自分には難しい課題で、10年に一個もまともには出来ないという感じですね。
過剰にやった方が却って問題がシンプルになるという感じはします。
過剰でおどろおどろしいかと思いますが、そっちの方のマニアというわけではなくて、例えばギーガーみたいになってくるのは抵抗があります。
好きなのは、中国の青銅器だったり、現代で言うと精神病院の患者さんが描くような絵だったりします。

リクエストいただいたように来年は器でもまた過剰なものもやりたいと思っております。

展覧会は新春に一つグループ展がデパートでございます。
小さな彫刻や器ですが、自分なりにやりきった仕事ばかりになるかと思いますのでよろしくお願い申し上げます。
情報は後ほどこのブログにアップいたします。

銀拝
金さん URL|ご返事ありがとうございます
#- 2008.12.27 Sat20:08
銀様

ご返事、ご丁寧にありがとうございます。

新作のアップを楽しみにしています。

手を動かす仕事の人は、長命の人が、多く、銀様もこれからだと思われます。(かさねがさね失礼!)

原始美術や民族美術、アウトサイダーアートに興味をお持ちというのもいいですね。(根本にはアカデミックなものも入ってると思います)

ともあれ”鈴木厚”の名前は、私の記憶に残りましたので、どこかで必ず拝見できると思います。

補足ながら、牛腸達夫さんとの展覧会は、もしかすると拝見したかもしれません、新宿駅南口の近くで。当時、牛腸さんは、ちいさい金属の彫刻を制作されていたように思います。後輩一押しの新人作家でしたので、何回か足を運んだ覚えがあります。

金拝
銀 URL|金四郎様
#F.S2sd/w Edit  2008.12.28 Sun20:08
ありがとうございます。

牛腸君とは、代々木ゼミナールギャラリーの展覧会でご一緒したことがあります。
池田さんもいらっしゃいました。

それではよいお年をお迎え下さい。

銀拝
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プロフィール

ぎんよう

Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

我が家の掃除機の塵の放射性物質
Cs137:641Bq/kg(検出下限39.7)
Cs134:211Bq/kg(検出下限19.3)
Cs合計:852Bq/kg(検出下限58.0)
採取時期:2014/1月~2014/3月

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