この頃の私ー磁器の大黒、恵比寿、達磨の成形ー

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最近は、一品物の磁器の大黒だの達磨だのを作っておりました。
前は型でもやっていたのですが、それほどは作業が簡単ではない割に、あまりに仕事が楽しくないので、この頃は粘土の塊を一つづつ加工して、出来上がった後中をくり抜くというやり方をしています。
こういうのは、まず袈裟(達磨)だの狩衣(大黒、恵比寿)だのが、難しい。
でも一応、服がどうなっているかは把握してます。
把握していないと、服のひだが模様と同じような扱いになるのですが、でも服ですからそうやたらと奇抜な線にもにも出来ずあんまり面白くなくなります。

それと、服の下から出ている足先が足に見えるようにするのが難しい。
裸足だとボコボコイボが出ているように見えてしまいます。
それは、手の位置が結構関係あるんですね。
足をいくらいじっても手の位置それと目の位置、頭の大きさがピタッと決まらないと足に見えないです。
こういうのって、結構神秘的なものと自分では思っているんですが、どうなんでしょう。
お客さんには何となく変な感じとか良い感じで伝わってるかな~

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片履達磨です。片履達磨とはウィキによると、

当時、北魏の使者として西域からの帰途にあった宋雲が、パミール高原で達磨に出会ったというものである。その時、達磨は一隻履、つまり草履を片方だけを手にしていたという。宋雲が「どこへ行かれるのか」と問うた所、「西天へと行く」と答え、また「あなたの主君はすでにみまかっている」と伝えたというのである。帰朝した宋雲は、孝明帝の崩御を知る。孝荘帝が達磨の墓を掘らせると、棺の中には一隻履のみが残されていたという。

と有りますが、その伝説によっています。

成形を終えたところですが、この後、少し乾燥を進めて硬くして、鉄線で切ったり窓を開けたりして、中を表面5㎜ぐらいの厚さを残してくり抜きます。窓や切ったところを元通りに接着、完全乾燥後、800度ほどで素焼きし、ゴスで模様を描き、透明釉を掛けて、1280℃まで還元焼成して、染め付け磁器片履き達磨が出来上がります。
こんな感じ。これは恵比寿ですが。。。
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道具です。
一番したの鉄のワイヤーで切ります。
上から2番目の掻きベラで中の粘土を掻き出して空洞にします。

一番上の掻きベラは、成型用で像の表面をならします。
父が作ったものです。父は道具作りが好きで、実に形の良い道具を丁寧に何日も掛けて作っていました。
形ばかり良くて使いづらいのもあるのですが、これは使いやすいです。
刃の角度、厚み等全てにおいて良いです。大中小セットで残っています。これは、小。

木のヘラ3本はツゲの木製でこれも父の残した物。
木彫家の父は粘土では肖像原型をたまに作る程度でした。
そのためか、ツゲヘラは、形はブランクージの彫刻みたいにキレイだったのですが、たくさん作る焼き物屋には華奢ですぐ折れてしまいました。それをまた削り直して使っています。

その下のステンレスのは銀が購入したもの。薄い刃で細い部部をカットしたりするのに重宝しています。


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Tag:陶磁器  Trackback:0 comment:6 

Comment

ちゅう URL
#- 2008.11.16 Sun23:30
粘土の状態で残せないものですかねえ?焼くとありふれた作品のようにみえてしまいます。
まあ素人のぼやきですが。

銀 URL|そっとコメントを下さったお客様へ
#F.S2sd/w Edit  2008.11.17 Mon08:45
ありがとうございます。
元気が出ました。
これは、中**さんと同じように昔の主題によっていますが、自分的には、無垢の人や愛の壷と言ったはちゃめちゃ風、あるいは染め付けや青磁の器とほとんど同じような気持ちで仕事しています。
仕事はどれも、霊感に憑かれたような状態では決してなく、ラジオを聴きながらダラダラやりますが、やはり精神的に少しアンバランスというか、頭の回路が変な風につながるというか、不安定な状態ではあると思います。
なにか、手がけている作業中の作品のなにもかにもが断片的に見えて非常に不安定に見える。
それが、あるツボみたいな所をみつけると、一気に有機的につながりあるべき所に落ち着き安定するのが非常に非常に嬉しいというか、ホカホカ良い気持ちになれるのです。
そんな感じで仕事しています。
銀 URL|ちゅうさん
#F.S2sd/w Edit  2008.11.17 Mon08:58
コメントありがとうございます。
まあ、達磨や恵比寿はありふれたものなもので(笑)

>粘土の状態で残せないものですかねえ?
テラコッタと言って素焼きにするのは、彫刻家がよくやります。これは割合粘土の風合いが残ります。あるいは自分もやることがありますが、釉を掛けないでただ高温焼成する、焼締め。
これらは、言わばアコースティックな手法というかスピリットというか、工業製品的なものから完全に距離を置く感じで、分かりやすく安心して見られることが多いかもしれません。
技術的困難はさておき、、、
自分は、基本的に大Mなので、真っ白な磁器素地に釉をキレイに掛けて工業製品や骨董にに間違われる可能性のあるところにいるのが、痛いというか、戦える感じで今は好きです。
まあ、どんな技法でもやりようなんですけれどね。

1月中旬に、東京で展覧会がありますので、今度はミスターyも交えていっぱいやりましょう。
洒落陶 URL|
#- 2008.11.17 Mon15:52
同じ磁器土でも可塑性がだいぶ違うのかなあ。窓を開けてそこから刳り抜いて
全体を薄くする。またそこを塞ぐ。
天草じゃ無理でしょうね。
磁器は釉薬を掛けて焼くとツルンというかヌルンというか、そんな感じに
どうしてもなってしまいますね。
銀 URL|洒落陶様
#F.S2sd/w Edit  2008.11.17 Mon17:31
>同じ磁器土でも可塑性がだいぶ違うのかなあ。
>天草じゃ無理でしょうね。
そうですね。天草はきっと無理でしょうね。恐れて試していません(笑)
瀬戸の蛙目が入っている砂婆立てのが一番楽ですが、京都上石も大丈夫です。
石10割では、九谷のスタンパー仕上げの特別可塑性を出したものでやったことがありますが、それも大丈夫でした。
土揉みした感じでは、出石焼の磁土も石10割と思われるのがあったのですが、それも行けそうでした。
窓を開けてくり抜いた後、内側を思いっきりヘラで締めると滅多なことでは割れません。水も少ないし、外もヘラで締めるので。。。。

>磁器は釉薬を掛けて焼くとツルンというかヌルンというか、そんな感じに
どうしてもなってしまいますね。

形のパワーでカバーするしかないのでしょうね。
銀 URL|そっとコメント下さった親切な方へ
#F.S2sd/w Edit  2008.11.17 Mon20:35
コメント、ありがとうございます。

灰釉で細かい陶土、今回は無理ですがやってみます。

やっぱ、染め付けの達磨はいかんですか(笑)
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ぎんよう

Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

我が家の掃除機の塵の放射性物質
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Cs134:211Bq/kg(検出下限19.3)
Cs合計:852Bq/kg(検出下限58.0)
採取時期:2014/1月~2014/3月

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