釉掛けのヘンな極意

大水鉢の釉掛けを終えた。
出来る限り、部分によって釉の層の厚さが変わらないように、釉を水でうすめさらに、CMCノリとにがりをくわえて、筆で薄く3回塗り重ねた。浸し掛けや回し掛けの難しい大作は、コンプレッサーで吹き付けるのが早いし、ムラ無くするのも割合楽なようだが、どうも筆でノリのたくさん入った釉を塗りかさねたときにできる、何とも言えない風合いが好きで筆にしてしまった。
時を経て何度もペンキを塗り重ねた建材のような感じである。
その感じは当然焼いてしまえば残らないが、時間と情熱をかけた作品に、絵の具と違って、焼いてしまうと全く色も質感も変わる釉と言うものを掛ける不安、それもかなり不安定要素の多い木灰だての釉を掛ける不安が、その筆塗りの風合いを見ていると何となく小さくなり落ち着くである。
勿論、焼成後は、ムラとしてのこらぬよう筆使いを規則的にしたり最大限の努力はしている。

今回も、余計な不安に負けて全部洗い落としてちょっと違う構成の釉薬にしたり、又かけた感じでどうもいやらしい見栄えを感じて洗い落としたり(こっちは多分正解だと焼成前の今は思っている。洗い落としたのは、刻み込んだ模様の線を強調しよう埋め込んだ鉄分の多い釉)いろいろてんやわんやだった。
一見無駄なようなこの迷いが大きな目で見ると必要だと思いこんでいるが、、、、、、、、

IMG_5335.jpg

電卓と料理用の量り、オタマは釉薬調合の際の必需品です。
左はガス窯の正面、右の漬け物樽は釉薬と削りかすの磁土の再生中(篩をかけて、沈殿をまっている泥状磁土)。




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Comment

江戸川台のきょん URL|攪拌(かくはん)、乳化剤、濃調、温調
#pYnNxVVQ Edit  2008.05.27 Tue05:05
いろいろ、やるんですね。

さて、以前、「釉薬大全」だか何だかの本を見せてもらったとき、Caだか、Naだかの含有比率を見て、「おお、こんなの(元素の配合としては)
わかるよ」、なんて言ったかもね。

 釉自体は焼く(オレ等の言葉なら焼成)するまで、塗る(塗布)時点では、変化(反応)はしないかもしれないけど、化学変化は起きなくとも、
釉としての(塗液)特性を維持するため例えばサスペンジョン状態は保持する必要があると言っていたよね。
 
 ウチ等の業界(どこでもそうか!)では、液体と液体の微少な混合を乳濁(乳化、エマルジョン)固体と液体のそれを懸濁(サスペンジョン)
なんていうけど、乳化の例だと、牛乳、ドレッシング、マーガリンみたいなもの。まあ、水と油、これをガーっとかき混ぜて、”乳化”させて、
万年後にはまた、水と油に戻っちゃう訳だけど、出来るだけ安定なエマルジョンを作る時のポイントが、攪拌(正確には”せん断”とでも
言うべきか?)、界面張力、温度調整、濃度調整、比重などかな。

 攪拌は、なるべく強い力を加えて粒子同士を微分散させたい訳だけど、なるべく狭い”スキマ”に速い速度差をつけて、”引き裂く”わけ。
これがせん断力。界面張力は、水と油の表面張力の差をなるべく近づけたほうが、”なじむ”わけで通常”界面活性剤”(乳化剤)を使う。

 温度調節、あっ、これについては忘れたなあ。安定なエマルジョンを維持する温度があったような気がするだけかも。濃度。言うまでもなく、
安定な乳濁、懸濁を形成しやすい濃度域はあるでしょう。比重は、釉の場合は、水に、水より比重の重い微粒子を懸濁させるのだから、
なるべく水に何かを溶かして、比重を重くしてやり、比重差を小さくしてやった方が安定化しそうだ。

 僕等が、実験で水と油を”分離”したい時には、水の方(水相)に”塩”(通常は食塩)を溶かして分離しやすくしたりするが、あと乳濁は
いいが、懸濁のときは固体の方の”粒子サイズ”も重要だな。もちろん小さい方がいい。

 さあ、これらを達成するために、攪拌モーターやヒーターなどがあれば、、、と話は続く予定だったのだが、発散しちゃったな。
続きは別の機会にするよ。ごめん、ごちゃごちゃだ!
銀 URL|きょんさま
#F.S2sd/w Edit  2008.05.27 Tue19:06
「釉薬大全」ほしい。
あの本は、「釉調合の基本」です。(笑)
フムフム懸濁と言う言葉は小生の耳にもなじみあります。
懸濁させるために、釉薬の世界では、CMC、布海苔などノリを入れる、蛙目粘土などの粘土を入れる、粉砕混合と言って乳鉢やポットミルで擂る、超微粒子の珪酸質であるベントナイトを混入する、ちょっと違うニュアンスのような気もするが、にがり=塩化マグネシウムを入れる等のことをする。ドリルにスクリューつけて良くかき回したりもします。
界面活性剤は使わないと思う。

ここで問題なのは、懸濁しやすい釉薬は沈殿しなくて良いのだが、この水鉢みたいに肉の厚いものに掛ける分には大変都合良いのだが、うすーく成形したものは、浸し掛けをすると、水を素地が吸いずらいのか、蒸発しづらいのかよく分からないのだが、いつまでも釉の表面の水が引かず、そのうち素地から浮き上がってきてしまう。筆ですこしづつ塗る分には良いのだが、時間がかかりすぎてしまう
だから、石油ファンヒーターであぶったり、内側と外側を別に掛けたりする。
もうひとつ、大きな問題は、あんまり粒子が細かくなると、釉薬の世界では擂りすぎというのだが、焼成中に収縮が大きくなり、熔解前に剥がれてしまう。
と、昔から言われているとおりの失敗を自分も散々しています。
今度、これらの問題点をじっくり教えてください。
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彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

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