染めつけ アオザイ

最近制作したものです。
ご注文をきっかけで仕事していますが、失敗にそなえてや、自分の興味で結局相当の量の作品が出来上がった。
ご注文の皆様、本当にありがとうございました。
そして、たいへん長らくお待たせしてしまい申し訳ありません。

まず、木灰の透明釉の茶碗。
シンプルなものはやってて実に落ち着かなくて辛いのですが、まあこのタイプはいくらかましかもしれません。
長石でなくて陶石でやっているのですが、多少乳濁する感じとマットな感じがあり古伊万里風かもしれません。
陶石は850℃で仮焼し施釉時のぼたつきを抑えてあります。
染めつけ茶碗

同じ木灰の釉の茶碗を2点。
染めつけ茶碗き別角度

染めつけ茶碗お(木灰透明釉)
染めつけ茶碗お(木灰透明釉)別角度


次ぎに普通の石灰釉のものをいくつか。
一番上のは、いつものマンガンや鉄分の多い昔風のゴスでなく性能の良い今出来のゴス。
制作中非常に迷って、出来上がりも曖昧な気がしたのだが、焼いてみると限界まで頑張った感じはして後味悪くはない。
染めつけ茶碗あ別角度
染めつけ茶碗い
染めつけ茶碗い見込み
染めつけ茶碗う
染めつけ茶碗え
染めつけ茶碗か別角度



次ぎに角皿
四角はは何年かぶりで億劫であったがやってみると新鮮でアイディアがドンドン湧いた。
内容的に、多少怪奇なものだが、優れた美術家の方のご注文と言うことで好きなようにやらせていただいた。
染めつけ角皿_1
染めつけ角皿_2
染めつけ角皿

次ぎに、カップ・ソーサー
銀窯鈴木厚の中では、一番の売れ筋商品。
自分で思うには、私の模様はかなりタイトで入りづらい感じだと思うのですが、取っ手がついて左右対称でなくなって、少し動きが出て開放感があるのではないか。

同じ系統のアザミ、ヒマワリの模様を数限りなく描いたが、その分完成度は高くなっていると思う。
しかし、描くときに新しい模様に挑戦するときと違って、故意に自分をむち打って集中しないととたんに弛んだ絵になってしまうので、定番の模様が楽と言うことはない。

染めつけカップソーサー_2
同ソーサー
染めつけカップソーサー_1同ソーサー_1

染めつけカップソーサー同ソーサー_2

次ぎに酒盃2点
ひょんな所からかなり安価で注文を受けるはめになってブーブー言っていたのだが、やってみるとなぜかドンドン形が出来てきて、楽しい仕事になった。

染めつけ酒盃1
染めつけ酒盃2

ところで話は飛ぶのですが、一昨日家内のコンサート形式のコンクールに応援に行ってきたのだが、演奏の内容はさておき、出演者がガチガチに緊張していて、その人の癖が露骨に見えるギクシャク変な身のこなしが出てくるのだが、それは西洋の正装たるドレスを着ると何か生々しく痛々しい感じになり見ていて疲れた。
なんか、タプタプのお腹とか、二の腕のお肉とか、鎖骨の埋もれ具合とか、頭のでかさとか脇の下のシワとか短くて細すぎる腕とか下がったお尻とかがやたら、眼につく。
しかし、それはそれで、そそるものがあるし、どうもそう言う変なものはとても他人事とは思えないんだな。
敢えて言えば、自分はそんなものを愛して芸の種にしているんだな。。。

だけれど、クラシックの演奏家はそう言うわけにも行かないだろうから、本番前に衣装を相談されたときに、本人はドレスを着たかったみたいだが、「東洋の衣装たるアオザイにしなさい」と強引に勧めてそうしたが正解であった。

あるお客様に、「他に物凄く完成度の高い仕事はあると思うが、貴兄の仕事が好きなんだよね」という嬉しいお言葉を頂戴したが、どこか関係ある話のような気がしたので書いてみた。



スポンサーサイト
テーマ : 陶芸
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:陶磁器  Trackback:0 comment:14 

長い文章=巨大石膏吸水鉢を作った=

お久しぶりです。
どうも書く種が無くて、、何回か書いてはみていたのですが、何書いても面白くないので、ご無沙汰でした。
今までで書いてて一番開放感があったのは、自害した有名彫刻家のオヤジのことでした。
まあ、自分で書く分にはなにか、癒やされる感じがあるのですが、他人から話されるとやっぱりトラウマでいきなり切れたりして、人格を疑われます(笑)


で、ここのところ、石膏の吸水鉢(泥状の緩い粘土の水分を吸い取る道具)を作っていた。

昔木彫ばかりしていた頃、刃物を研ぐのにはまっていて、ちょっとイライラしたり迷ったりネガティブになると、砥石に刃物を擦りつけて気持ちを落ち着けていたが、同じようにこのところロクロが好きになってきた。
以前は嫌でたまらず、東京美術学校(今の芸大)木彫卒の板谷波山みたいにロクロは職人さんにやってもらうのが理想であったが、ここのところは、今でも、寝ている方が好きではあるが、仕事の中では気持ちが落ち着く工程になってきた。
いろいろの形を能率良くきれいに出すにはどうしたらよいか、あれこれ考えて試すのが、以前よりは自由にロクロが扱えるようになってきたせいもあって割合楽しい。
同じような器を少しずつ変えて、10も20も試作する。
とは言っても、最終的には模様で勝負の銀なので、一応神経が行き届いたスキのない形であれば良い、器の形ですべてを語ろうなどとは(自分の芸風では彫刻家時代も含めて、ロクロ一発ぐらいのシンプルな作業ででうまく出来た試しがほとんどない、技術的な未熟さもあるが、多分落ち着きが無くて、強欲な事も関係している気がする。)考えていないので気楽でもあるのだろう。
答えは、染めつけなどの模様の時に出すから、ロクロでは芸術性はそれほど追求しない。
というか、追求できない。

それで、ドンドン磁土を使うのだが、水挽きがそんなに上手いわけでもないのに、薄いのが好き(本日素焼き前のティーポットをうっかり握りつぶしてしまったのだが、厚さが1ミリぐらいしかなかった、いくら何でも薄すぎ、焼くときに支柱で支えないと歪んでしまッて蓋が閉まらなくなってしまだろう。)なので、生乾きの時に行う削りという工程(逆さにロクロに据えて高台を削り挽き出す)の時に全体をもう一度旋盤のように削って薄くするので、大体の陶芸家諸兄よりもかなり大量の(使う磁土の半分以上)削りくずが出る。
大体今、400㎏ぐらいはたまっているのではないだろうか。
それをまたロクロにかけられる磁土に再生するのには、(師匠には真空土練機を買えと言われているのですが)一度水に入れてとかし完全な液体にした後、細かい篩を通して、混入してしまったゴミ、鉄粉(磁器の白い生地に黒い点として焼き上がりに出てくる、よっぽど注意してもどこからかやって来て入ることがある。)を取り除いたあと、ポリバケツに入れて2ヶ月ほど寝かして沈殿させ、上の水をとったあと、最後に素焼きか石膏の鉢に入れて水分を吸い取った後また練って粘土状に再生する。
この最後の脱水に、今までは素焼き(植木鉢のような低温焼成)の鉢を作ってやっていたのだが、鉢の身が薄い(あまり厚く作ると焼くときに割れてしまう)ためだと思うのだが、なかなか水を吸ってくれず3週間もかかっていた。
そこで、焼成ではなくて化学変化で硬化するので分厚くできる石膏鉢である。

1週間で脱水を終えられると予想しているのだが?

粘土再生用の石膏鉢は売ってはいるのだが、買うと30cmぐらいの径で10cmほどの深さのの浅鉢形のが6000円もする。
容積が小さいので、7個はないと仕事にならないだろう。
あれは、たくさん備えて少しずつ入れて持ち上げて棚に立体的に並べるので小さいのだろう。
しかし、銀のアトリエは父親が等身大の木彫を同時に何体も作れるようにバブルに乗じて作っただだっ広いもので、場所は充分なので、床置きのでっかいやつをどんと3個ほど作って一生分にしてしまおう。(一生分といっても、あと20年もロクロが出来るほどの体力があれば御の字だ。)
腰も父譲りで割と強いし、元彫刻家なので重いものは今のところあまりこわくない。
持ち運びに困ったら、下にキャスタをつけるか、彫刻用の頑丈な台車の上に置きっぱだ。
泣き所は洗うときに重くてやっかいだろう。

前置きが長くなってしまいましたが、これが出来上がった吸水鉢です。
内径が訳30センチ、厚さは5センチはかるくある。
深さは手前のが一番深くて30cm、真ん中のはミスで底が異常に厚くなってしまい20cmぐらい。
大体重さは、17~20㎏ぐらい。
石膏を3つで粉末を45㎏消費した。約1万1000円也。

石膏というのは、石膏粉1を容器に入れた水0.75に入れ撹拌するとすべて反応して5分後には固化をはじめる便利なものだ。その水0.75の分が反応後、細かい穴になり水をよく吸うらしい。水を入れるのに化学反応で触るとかなり暖かくなるのがちょっと神秘的で嬉しい。ちなみにA石膏の方が特石膏より水をよく吸うそうです。)
IMG_2002.jpg

漬け物バケツの底を抜き、余計なリブなどを鋸で切り取り彫刻刀で仕上げて型にしている。
側面の一カ所を縦に切ってあり、そこをガムテープで留めておいて石膏を流し込み、固まった後ガムテープをとってはずす。写真ははずしたところ。
樹脂製の漬け物バケツに弾力性があるので、一部重ねて留めると径を小さくできる。
口縁部が出ているのは、下の部分に外型をそうやって径を小さくして流し込み硬化後、上だけ広めてセッティングし直して流し込んでいるから。
IMG_1999.jpg

下の写真は、最初の写真の真ん中の吸水鉢の製作途中だが、中子(内型)のなかに一番最初に流し込んで作った底が見える。
底が固形化した後、中子をセッティングして中側から粘土で止めて次ぎに流し込む側面の石膏が中に流れ込まないよう、また中子が浮いてしまわないようにするのだが、側面の石膏が固まったのではずしてある。
中子が高く、外型より上に出ているのは、中子を止める粘土の量と接着が十分でなく、側面に液状の石膏を流し込んだ時に、中子が船のように浮いてしまい、仕方がないので中子をとっさによけてそのまま固化を待ったので、底がさらに厚く10センチを越えてしまい高くなったから。
そのあと再度中子をセッティングした。
底が厚い分吸水がさらによい!
といいのだが、、、
IMG_1992.jpg

ところで、この吸水鉢を作るのは、実は半年も前から計画を練っていた。
最初は粘土で伏せた形の鉢を作り外側に石膏を手で少しづつかけていき、硬化後中の粘土をとって鉢にするはずであったが、ヘラで身に空隙が出来ないように塗り重ねる(空隙があるとそこから石膏が欠けてねんどにまじってしまったりする)のが非常に困難なことをやってみて思い出した。
一番良い状態の数分しか良い状態に塗れないのだが、ドンドン固化するのが良く撹拌した石膏であり、余程少しずつ溶かないと塗らないうちに固化が進んでしまい無駄ばかり出るのだが、石膏というのは、ゆっくり少しづつ一分もかけて水に入れないとダマになるし(荒い篩に粉末を通すのが正解だ)、2分沈殿を待って、そのあと5分撹拌しないと充分な硬度がえられないし、容器をいちいち洗わなくてはいけないから、少しずつ多くの回数を溶くと時間が何倍もかかってしまう。
あまりの大変さにうろたえて、急遽この漬け物樽のかたを作る方法に変えたのだ。

ちなみに彫刻で型どりなどのために石膏を使う際は、一度に大量の石膏を溶いて流し込む型を作るには形が不規則すぎることが多いので、そのように少しずつ溶いて辛抱強くヘラで塗りつけていく方法ですることがほとんどである。高価なわけだ。
死んだ親父は、時間を省くのと、硬化をスローにするためにあまり撹拌しなかった。

半年の構想と、土まんじゅう3つ一日分の労働、石膏約2キロの無駄はナマな銀にはかなり応えて家内にやつ当たりたのは言うまでもない、新しい方法についていろいろ考えたり、失敗に不安になったりで情緒不安定になって、夜眠れなくなり、胃がかなり悪くなった。
染めつけなどの模様について思い悩んで眠れなくなることはないのだが。。。

しかし、自分が家内に八つ当たり気味に愚痴った際に、家内が大まじめな顔で提案してきた方法は、ドロドロの石膏が固まらないうちに中にでっかい健康ボールを中子・内型として押し込み、硬化後空気を抜いて除去すればば一発!という実現は難しい(空気が密閉されたボールを液体の中に固定するのはすごい力で浮いてくるから至難の業だ)ものであったが、漬け物樽を切って作るという方法のヒントにはなった。
さすがかあちゃん!
ついでに、「漬け物樽を切って型にするなんて凄い!誰も思いつかない発想。厚さんは優れている!」と褒めてくれた。

IMG_1990.jpg

こういう高さ40cmもある土まんじゅうをヒモ作りで3つ一日かけて作り、一個には石膏を2㎏ぐらいかけて挫折したのだが、ヒモで土まんじゅうというか塔を作るのはなぜか実に楽しかった。
急に陶土で、ヒモ作りのレリーフ状の模様のついた大壷を作りたくなり、ジョイフル本田に追加の石膏を買いに行くついでに信楽の並濃し粘土20㎏を購入してしまった。
磁器のロクロを思いっきりするために、削った粘土を再生しようと、吸水鉢を作り始めたのだが。。。。

大きさは売っているのの5倍も容積がある鉢ができたし、最後は要領が良くなって、縁だけ厚くするなどと言う器用なことをやっても3時間で仕事を終えたが、全体では4日もかかってしまったし、石膏もかなり使ったし(45㎏のうちの約5㎏は、とくときの分量を間違えたり、錆びたボールを使って鉄が入ってしまったりして使えず庭に捨てたというかイライラしてぶちまけた。また2~3㎏は間違った技法、溶きすぎなので泣く泣く無駄にした。イライラ、泣く泣くの罰が当たってクビの後ろに大きなおできが出来てしまった。)、物凄く疲れたので、一つ6000円も高いとは言えないと思いました。

なお最後になってしまったのですが、上述の磁土再生法はすくも窯さんのHPで教えていただいた方法です。
http://www.geocities.jp/sukumogama/index.html
すくもさんのHPの磁器の技法講座は、陶器は随分とあるのですが磁器では書籍も含めて私がみた中でもっとも厳密で大系的なもので素晴らしく、非常に勉強になりました。
この場を借りて御礼申し上げます。

下は、最近挽いた大鉢、大皿(挽いたときは50cm以上あった)ティーポット、みずさしなど。
明日素焼きなので、本日は窯詰めしています。でかいので難しいです。

久しぶりなので、たまっていたらしく文章が長くなってしまいました。。

IMG_2004.jpgwidth="400" height="300" />


後記

現在脱水中です。
かなり吸いは良いのですが、すり鉢型でなく、側面が切り立っているので、粘土が収縮して壁から離れてしまいます。
気づかなかった。
現在対策を思案中です。
・3つに輪切りして石膏を流し込んで底を作って浅鉢3つにする。
・布にくるんで鉢に入れる。離れてきたらば上から押してくっつける。
・まめにかき回す。
・10日ほどでウマに出来るぐらいになったので、このまま使う
等、

良い知恵がある方はコメントくだされば幸に存じます。
また後ほど結論が出てきたらば記事を書きます。

2090年7月30日記


結論

去年最初使ったときは、粘土が縮んで壁から離れるのビックリしましたが、そのまま放って置くと普通に脱水できます。
愛用しています。

2010、5月23日
テーマ : 陶芸
ジャンル : 学問・文化・芸術

Tag:陶磁器  Trackback:0 comment:8 

プロフィール

ぎんよう

Author:ぎんよう
彫刻家でもある鈴木厚が磁器を中心に器を制作しています。

月別アーカイブ
FC2カウンター
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
ブログ内検索
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる